EV NISMOのフラッグシップモデル・日産「アリアNISMO」のスポーティなチューニングにワクワクが止まらない!
■EV NISMOの頂点に相応しい躍動感に溢れる佇まいと走り
発売に先駆けてテストコースで対面したアリアNISMOですが、ノーマル車のモダンでシンプルな美しさを活かしつつ、ホイールやディテールの造形、レッドのアクセントが与えられたことでダイナミックさを感じさせる佇まいを見せます。 デザインに関しては”風格プレゼンス“と”電撃パフォーマンス”、この二面性がキーワードとして強調されましたが、風格と力強さを兼備した実車を見ると納得という印象です。 インテリアもしかりで、ブラックを基調としながらステアリングにはレッドのセンターマークが与えられるほか、インパネやセンターコンソールの金属加飾も金属調レッドに改められています。 また専用開発のフロントシートはスエード調表皮を採用、ホールド性や姿勢保持性、フィット感まで匠ドライバーによる走り込みで入念なチューニングを施したそうです。 実際、シートのサイズは大きめですが、クッション部の程よいストロークによるしっかりとしたホールド感に加えて、手触りが良く滑りづらい表皮により体をしっかりと支えてくれます。 また、インテリア全体の質感も高く、インパネやセンターコンソールまわりに配されるマット系素材も指紋が付きづらく好印象。 ドアパネルや前席足元中央部にはANDON(行燈)イルミネーションが備わりますが、ほのかに灯る赤い明かりが上質さとスポーティさを巧みに演出しています。 そんなディテールもあって”走り”への期待値も高まります。試乗車はB9 e-4ORCEですが、まずはスタンダードモードで走り出しますが、約2.2トンという車重を感じさせない加速感はEVならでは。アクセルパダルだけで加速・減速を自在にコントロールできるe-pedalを駆使すれば車体サイズを感じさせない軽快な走りが楽しめます。 また、NISMO専用のチューニングが施された足まわりも硬いと感じることはありませんし、タイヤのパターンノイズこそドライバーの耳元に届くもののEVらしい静粛性もしっかりと保たれています。 一方で、NISMOモードに切り替えると、その血統を色濃く感じることできます。真っ先に感じるのは加速時の力強さで、特に80~120km/hの車速がググッと伸びる感覚とレスポンスの良さは爽快のひと言に尽きます。 また、NISMO専用のBOSEプレミアムサウンドシステム搭載車では加減速に合せてEVサウンドがスピーカーから響きます。音質もデザインしたというこのEVサウンド、加速時はジェットエンジン風、減速時は重低音と変化しますが、(好みこそあれ)スポーティな走りを演出してくれますし、走りのテンポを掴むうえでも役立ちそうです。 試乗コースにはパイロンスラロームも用意されていましたが、加減速・コーナリングのすべての操作が安心して行えますし、2トン強という車重を感じることはありません。しっとり・しっかりとした安定感と機敏な身のこなし、その絶妙なサジ加減はさすがNISMOというところでしょう。 さて、EV NISMOのフラッグシップにして、車格的にも国内向け日産SUVの頂点でもあるアリアNISMO、気になるお値段は842万9300円から944万1300円。 輸入車の高性能EVやSUVに迫まる価格帯ですが、そうしたグローバルなライバルと並んでも決して劣らない、個性が光るモデルであるのは間違いありません。 【Specifications】 日産アリアNISMO B9 e-4ORCE 全長×全幅×全高:4650×1850×1650mm ホイールベース:2775mm 車重:2210kg 動力:電気モーター 駆動用バッテリー:リチウムイオン電池 総電力量:91kWh 最高出力:フロントモーター160kW(218PS)/5950-11960回転 最高出力:リアモーター:60kW(218PS)/5950-113200回転 最大トルク:フロントモーター300Nm/0-4392回転 最大トルク:リアモーター300Nm/0-4392回転 駆動:全輪駆動 価格:944万1300円
<写真・文/村田尚之>