今やアニメの聖地は秋葉原から「池袋」へ…「消滅可能性都市」からの脱却を図る池袋の”本気戦略”とは
「消滅可能性都市」からの脱皮を図って、「国際アート・カルチャー都市」へ
’23年10月31日に池袋にアニメ東京ステーションがオープン。’14年には、20~39歳の女性が50%以上減少すると推定される「消滅可能性都市」と指摘されたが、今の豊島区はどうなったのか? 【池袋・レベル高っ…!】見逃せない! 美しすぎるコスプレイヤーたち 「区としても危機感を抱き、発表直後から『消滅可能性都市緊急対策本部』を設置しました。そこで、『国際アート・カルチャー都市』として、発展し続ける街を目指しました。その柱の一つが、豊島区からマンガ・アニメを発信していこうということでした」 こう言うのは、豊島区役所マンガ・アニメ活用担当課長の熊谷崇之氏。 ’14年10月には池袋ハロウィンコスプレフェスを開催。’23年には渋谷は規制を行ったが、池袋では10回目のフェスを開催。集まったのは14万人! 渋谷で最高の人出だったのは、’19年の約4万人だが、その3倍以上もの人が集まったのだ。何もトラブルは起こらなかったのだろうか。 「当区では、ルールがあるイベントとして行っています。イベント参加者は路上飲酒は禁止です。今年のフェスは10月28日、29日の土日に行われましたが、参加者がゴミ拾いのボランティア清掃を行う『まちキレイプロジェクト』も開催。区長もコスプレして参加しました」(熊谷崇之氏・以下同) 渋谷もイベントにすればよかったのに、などと思うが、 「フェスを開催するにあたっては、実行委員会を作って、6~7月から準備に入ります。そこで警備計画をたてたり、会場や更衣室の設営、コスプレイヤーやカメラマンの登録などについて細かく決めていきます」 なんと6月から準備。これは本気でないと、なかなかできない。 ◆マンガ誕生の地・豊島を世界に発信したい そもそも豊島区を“マンガ・アニメの聖地”として発信していこうと考えたのは、トキワ荘があるからだ。 手塚治虫、藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫ら著名な漫画家が居住して、数々の名作を生みだした木造アパート、トキワ荘。 「ここに記念館を建ててほしいという陳情は’99年からありました。記念碑を建てたのも’09年ですし、豊島区を“マンガ・アニメの聖地”にする下地は、’14年以前からあったのです。今、日本のアニメは世界的に有名ですが、その源流があるのは豊島区。それを世界中の人に知ってほしい」 トキワ荘マンガミュージアムでは毎年3本の企画展が行われ、現在は特別企画展として「ふたりの絆 石ノ森章太郎と赤塚不二夫」が3月24日まで開催されている。 ’17年からは世界中から送られたアニメーション作品を審査する「東京アニメアワードフェスティバル」が池袋で開催されるようになり、’19年には「東アジア文化都市2019豊島」で変わりゆく池袋のまちをアニメーションで紹介し、世界に向けて豊島区がアピールされている。 「海外からの観光客も多く見られるようになりました」