今夏はディズニーが一人勝ちか 『エイリアン:ロムルス』が『デッドプール』の連勝止める
ハリウッドの夏商戦、ディズニーの快勝が続く。8月16日~18日の北米映画週末ランキングは20世紀スタジオ製作『エイリアン:ロムルス』が初登場No.1に輝いた。同じくディズニー/マーベル・スタジオ製作『デッドプール&ウルヴァリン』の連勝記録を3連覇にとどめた形だ。 【写真】正面から見たエイリアンの恐ろしい口 本作はシリーズ第1作『エイリアン』(1979年)の“その後”を舞台に、若いクルーたちがエイリアンの脅威に対峙する物語。シリーズの生みの親であるリドリー・スコットが製作を務め、監督・脚本は『ドント・ブリーズ』(2016年)のフェデ・アルバレスが務めた。 北米オープニング興行成績(週末3日間)は4510万ドルで、事前の予想を大幅に上回り、『プロメテウス』(2012年)に続いて『エイリアン』シリーズ史上第2位を記録。アルバレス監督と、『プリシラ』(2023年)や『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024年)など話題作が続く主演ケイリー・スピーニーにとっても自身の最高記録を更新した。 海外市場では6670万ドルを記録しており、すでに全世界累計興収は1億820万ドル。製作費は8000万ドルだから、劇場公開での黒字化も十分射程範囲内だ。当初、ディズニーは本作を米Huluの配信オリジナル作品とする計画だったが、撮影直前に劇場公開を決定。この判断はきわめて正しかったことになる。 批評家・観客の支持も厚く、Rotten Tomatoesでは批評家スコア81%・観客スコア86%、観客の出口調査に基づくCinemaScoreではシリーズ史上でも高評価の「B+」を獲得。45年に及ぶ長寿シリーズながら、客層の面では若い男性の興味を惹きつけたことが勝利の一因とみられる。 ディズニー/20世紀スタジオは、すでに『エイリアン』史上初めてのテレビシリーズ『Alien: Earth(原題)』を2025年にリリース予定。『エイリアン:ロムルス』のヒットは、シリーズに新たな息吹をもたらしてみせた。日本公開は9月6日。 また公開4週目の『デッドプール&ウルヴァリン』は、予測の段階ではNo.1を死守する可能性もあるとみられていたが、今週は首位を譲って第2位にランクイン。北米興収5億4581万ドル、世界興収11億4261万ドルとなり、『ジョーカー』(2019年)を抜いてR指定映画の歴代世界興収記録を更新した(マーベル・シネマティック・ユニバース映画としては史上第9位)。 2024年のサマーシーズンは、5月『猿の惑星/キングダム』に始まり、6月『インサイド・ヘッド2』、7月『デッドプール&ウルヴァリン』、そして8月『エイリアン:ロムルス』と、ディズニーが毎月ランキングを席巻する結果となった。今後は『モアナと伝説の海2』や『ライオン・キング:ムファサ』も控えており、『マーベルズ』や『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』、『ウィッシュ』など不振だった昨年の印象を払拭する勢いだ。