佐伯市米水津で移動困難者を支える実証実験 住民が運転手のワゴン車運行
大分県佐伯市などは車を運転できない高齢者や外国人の移動を支援しようと、同市米水津で地元住民が運転手を務める「ささえあい交通」の実証実験をしている。人口減少や公共交通の運転手不足が課題となる中、将来を見据えた移動困難者対策としての可能性を探る。 実験は10月上旬から、市や米水津地域コミュニティ協議会、よのうづ国際交流の会、県タクシー協会が共同で実施している。同地域は高齢者と外国人技能実習生が多く、商店も少ないことから対象に選ばれた。 運行ルートは市コミュニティバスの「米水津・鶴見線」(約10キロ)。12月1日まで、バスが少ない土日祝日にワゴン車(乗客定員9人)を1日4便走らせる。運賃は無料。同協議会メンバーが有償ボランティアで運転する。 利用者は前日までにインターネットか電話で、希望する便と乗降場所を予約する。 初日は同地域で暮らす高齢者、外国人技能実習生ら5人が利用した。同市鶴見のスーパーで買い物を済ませた金田明子さん(81)=米水津浦代浦=と大沢武子さん(75)=米水津宮野浦=は「路線バスと違って予約した場所しか止まらないので便利。バスがない日に活用したい」と話した。 市地域振興課は「バスの運転手不足が社会的課題になっている。将来のことも考えて、地域の公共交通を住民が支えるモデルになれば」と説明した。他地域への拡大も視野に入れるという。