イチロー所属のマーリンズが1800億円で身売りへ
イチロー外野手の所属するマイアミ・マーリンズの身売りが合意寸前であることを複数の米国メディアが「ジェフリー・ローリアオーナーが球団売却で合意へ」と報じた。 フォーブス誌によると「2つのニュースソースから聞いたところによると、マーリンズのデービッド・サムソン球団社長が16億ドル(約1800億円)でチームを売却することで握手をしたそうだ」と報じた。 新しい買い手はニューヨークを拠点とする不動産開発業者だという。 同誌によると、「問題は、この不動産開発業者の資産が不動産に結びついているので、マーリンズを購入するためのキャッシュを持っていないということだ。この不動産開発業者がチームを購入するために、メジャーリーグが快く思わない程度の借り入れが必要になるだろう」と、売却交渉への懸案事項について述べた。 マーリンズは、1993年にフロリダ・マーリンズとして誕生。オーナーのローリア氏はそれまでに所有していたエクスポズをメジャーリーグ機構に売却し、2002年に1億5850万ドル(当時レートで約199億円)でチームを買収した。その後新球場を建設し、チーム名も「マイアミ・マーリンズ」に変更した。 同誌によると、「2012年にドジャースを買収したグッゲンハイム・ベースボール・マネジメントも大きな額の借金によって買収した。しかしグッゲンハイムは、マーリンズの新オーナーよりも有利な点が2つあった。ひとつは数百万ドルのヘッッジファンドと保険会社のお金、もうひとつはケーブルテレビ事業から60億ドル(約6800億円)を得ていた」という。 記事は、さらに現在のマーリンズの財政状況についても触れ、「一方のマーリンズは2020年までフォックススポーツフロリダとの放映権契約があるが、その放映権料はわずかなものでしかない。これはドジャースの4分の1程度である」と、ドジャースの買収と比較した。。 地元のマイアミニュータイムズでは 「ジェフリー・ローリアオーナーが球団を16億ドルでうまく売却すると報道されている」という見出しで報じた。 「ローリアオーナーはマーリンズを買収してから、マイアミ市民の税金を建設費の一部にあてた新球場を完成させるまでの間、チームには少ない投資しかしなかった。市場の小さいチームは選手獲得に投資することなく、メジャーリーグの利益分配金によって生き残ってきた」などと書いた。 前述したようにローリアオーナーは、メジャーリーグからの収益分配をうまく使い、市民の税金を球場建設費に使って、球団の資産価値を上昇させることに成功した。そこで、16億ドルで買い手を見つけることに成功しつつある。 マイアミニュータイムズは続けて、「もしも、この売却交渉が成立したならば、地元の郡は教育財政や図書館を運営するのに苦労しているのもかかわらず、お金は直接に彼の分厚いサイフに入ったことになる。ローリアはひどいスキームで郡からお金を得たことになる」とローリア球団オーナーの手法を強く非難した。 CBSスポーツは、新オーナーへの期待も伝えた。 「ローリアオーナーの下では、マーリンズは年俸総額も観客動員も、メジャーリーグの最下位に近かった。新しいオーナーがチームとファンにお金をつぎ込むことは、よい景気づけとなるかもしれない」と伝えた。 マーリンズには、イチローの他、今シーズンから田澤純一投手も加わっている。身売り交渉が、最終的にいつ成立するかは明らかになっていないが、新オーナー誕生は、イチローにどのような影響を及ぼすのだろうか。