ロッテ・池田来翔「自分の芯がなかった」と反省。来季は「一軍定着できるような活躍ができるように頑張りたい」
「いろんなことを試しすぎて、ちょっといい結果にならなかったと思います」。 ロッテの池田来翔はレギュラー獲りが期待された今季、ポジションを奪うことができなかった。 昨季は5月に昇格すると、早いカウントから積極的に打ちにいくバッティングで5月は月間打率.373、2本塁打、5打点をマークしたが、同月下旬に右手薬指を骨折後、成績を落とし一軍定着とはならなかった。 今季に向けた自主トレでは「(23年の)秋季練習入る前にフェニックスリーグの時に測定して、自分が持っている筋力を全て出しきれていないということでそういうところをやっています」と、「強く投げる、強く打つ、強く走る、自分の持っている出力を最大限にプレーに活かすことをイメージしてやっていました」と走攻守に強さを求めトレーニングを積んだ。 「一軍で出た時はどんな状況でもアベレージを高く出せることが、一軍で去年僕が感じたことなので、怪我をしましたけど、怪我してもできることがあったと思うので、今年は1年間一軍でなるべく波の激しさを少なくなるようにと思ってやっています」。 練習試合で打率.192(26-5)、オープン戦も最後の名古屋遠征まで帯同するも打率.214(14-3)に終わり、開幕は二軍スタート。それでも、ファームで2試合連続本塁打を放つなど、打率.400と打ち、4月5日に一軍昇格を果たした。4月7日のオリックス戦では「ランナーを進める事だけ考えてとにかく食らいついていきました。結果的にタイムリーになってくれて良かった」と、2-2の4回無死二塁から曽谷龍平が1ボール2ストライクから投じたフォークをライト前に決勝の適時打を放った。これで勢いに乗っていきたいところだったが、この安打を最後に9打席安打がなく、4月15日に一軍登録抹消。 「まずはタイミングを取るのが下手くそなので、どんなピッチャーにも対応できるタイミングの取り方を今は意識してやっています」と、5月2日の日本ハム二軍戦の第1打席、左の根本悠楓に対して突っ立ち気味で左足のタイミングの取り方がいつもと違うフォームで打っていたこともあった。 タイミングの取り方を工夫しながら、昇格するためには結果も求められる。 「そうですね、結果を出さないと上には上がれないので、結果を出しながら試合が終わって練習しながら、試合と練習の感覚を同じようにできればなと思います」。 5月19日に再昇格を果たしたが、6月14日に一軍登録を抹消。ファームではバットを短く持ってノーステップ打法で打ったり、突っ立ち気味に打ったりと、タイミングの取り方にこだわって取り組んできた。8月8日に3度目の一軍昇格も、ここでもアピールすることができず、8月24日に一軍登録抹消となった。 結局、その後は一軍昇格することなく、ファームで過ごした。一軍では結果が出なかったが、ファームでは9月11日の日本ハム二軍戦、3-3の9回無死走者なしの第4打席、石川直に対して2球で追い込まれるもファウルとボールで粘り3ボール2ストライクから8球目の148キロストレートを見送り四球を選べば、9月17日の楽天二軍戦の第1打席でも2球で追い込まれながら、ボールを見極め四球を選んだ。ファームとはいえ、シーズン最終盤、積極的に打っていく中で四球を選ぶ姿を見せた。 「一軍になると簡単に終わってしまうので、なるべく球数を投げさせていかないときは四球を選ぶじゃないですけど、やるべきことが1つ増えていければなと思っています」。 ◆ 芯を持つ 今季は「タイミングの取り方だったり、打席の中での考え方、ちょっと色々やりすぎました。自分の芯がなかった感じがします」と振り返った。 去年は一軍昇格後、すぐに活躍できたが、今年は思うような結果を残すことができなかった。今季は相手の攻め方が変わったことも関係していたのだろうかーー。 「ちょっとは変わりましたけど、あの時は一つ芯を持っていたというか、やるべきことがわかっていたので結果が出たと思うんですけど、今回はそれがなかったので自分でも色々やりすぎた感じがします。自分が変わりすぎたというのがありますね」。 芯を持つために必要なことについて「自分を知ることであったり、自分を知ることが一番ですね。自分はどういう選手か、自分がどういうバッターか、それがわかっていないと見つからないと思います」と語った。 ZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習では、「去年悔しい思いをして、立場的には最後の方だと思うので自分のやるべきことをしっかり、自分のことがわかった中で練習していますね」と汗を流した。 来年はプロ4年目を迎える。「一軍定着できるような活躍ができるように頑張りたいです」。池田が話した芯の部分も秋季練習中の期間に「徐々に固まってきている」と良い形でシーズンオフの自主トレ期間に移行できている。来年は昨季5月のような打撃を一軍でシーズン通して発揮して欲しい。 取材・文=岩下雄太
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