第95回選抜高校野球 報徳、社に春便り 仲間信じ、勝利へ向かう(その2止) /兵庫
<センバツ2023> ◇報徳 1932年創部の野球部には97人が所属する。伝統の堅守に加え、打線は切れ目のなさとクリーンアップの長打力が光る。 2022年秋の近畿大会では、履正社(大阪)や智弁和歌山を次々に破った。決勝は大阪桐蔭に0―1で敗れたが、センバツの舞台で雪辱を誓う。 二塁への送球タイムが1・8秒台の強肩を誇り、秋の兵庫県大会で捕逸0だった捕手で主将の堀柊那選手(2年)が守りの要。強肩の内野手、俊足で守備範囲が広い外野手がそろい、失点を抑える。 投手陣の層は厚く、キレのある速球と変化球で勝負する187センチの盛田智矢投手(2年)がエース。大阪桐蔭戦に先発し4三振を奪った間木歩(1年)、本格右腕の今朝丸裕喜(1年)、左腕の今堀佑哉(1年)各投手らが控える。 打線は下位まで高い出塁率を誇り、積極的な盗塁で相手に圧力をかける。クリーンアップには近畿大会で3試合連続本塁打を放った石野蓮授選手(2年)らが座り、迫力十分だ。 堀主将は「まだまだ伸びしろのあるチーム。目指すは全国制覇」と意気込む。大角健二監督は「苦労してつかんだ大舞台。勝つための野球を甲子園でも見せたい」と話す。 ◆学校プロフィル ◇OBに広島・小園 1911年、報徳実業学校として創立。52年に校名を現在の報徳学園中学・高校に改称した。質素倹約に努めた二宮尊徳(幼名・金次郎)の思想を教育の柱とする。生徒の属性や希望する進路に応じて選抜特進、特進、進学のコースを設置している。クラブ活動が活発で、文武両道を目標とする。 甲子園にはこれまで春夏計36回出場。74年春、81年夏、2002年春の3回、全国制覇した。プロ野球界に小園海斗選手(広島)ら多数を輩出し、金村義明さん(元近鉄など)、松本匡史さん(元巨人)らもOBだ。ほかにラグビー部や相撲部、陸上部などが全国大会で活躍する強豪。 西宮市上大市5の28の19(0798・51・3021)。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇社 野球部は選手39人とマネジャー4人の計43人。試合の後半で繰り出す集中打が持ち味だ。昨秋の兵庫県大会3位決定戦では、延長十三回に及ぶ接戦の末、強豪の育英を4―2で制した。近畿大会1回戦では、天理(奈良)から七回に一挙7点を奪って13―7で快勝し、ベスト8入りした。 投手陣は高橋大和投手(2年)と年綱皓投手(2年)の二枚看板。右投げの高橋投手は140キロを超える直球にカーブやチェンジアップなどを織り交ぜ、左投げの年綱投手は多彩な変化球を投げ分ける。守備も安定感があり、特に中堅の山本彪真選手(2年)は俊足を生かして広い守備範囲を誇る。 攻撃の柱は広角に打ち分ける河関楓太選手(2年)。打順は下位ながら秋の打率は4割3分5厘とチームトップだ。4番の水谷俊哉選手(2年)は全方向に長打を放ち、犠打などの小技も巧みでチームの勝利に貢献する。 練習では、選手同士で意見交換する「ブレーンストーミング」を取り入れるなど工夫し、寮生活を通して学年を超えた強い絆を培ってきた。チーム一丸で目指すのはセンバツ8強。隈翼主将(2年)は「走攻守バランスよく、チームのレベルを上げていきたい」と力を込める。 ◆学校プロフィル ◇OBに阪神・近本 1913年に創立。普通科と生活科学科に加え、65年に体育科が設置された。敷地内にある寄宿舎「東雲寮」には、体育科の男子生徒90人が暮らす。 校訓は「誠実 協調 創造」で、生きがいのある生涯のために、生きる力と学ぶ力を身につける教育を目標としている。普通科には医療従事者を目指す生徒向けに、看護医療について学べるコースも設置されている。 野球部は49年創部。2004年のセンバツで春夏通じて初めて甲子園出場を果たし、快進撃を見せて4強入り。夏の甲子園は22年に初出場した。 OBにはプロ野球・阪神の近本光司選手や楽天の辰己涼介選手らがいる。加東市木梨1356の1(0795・42・2055)。