NHK大河「いだてん」初回直前!見どころチェック
来年に東京オリンピックを控え、NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」が6日スタートする(NHK BSプレミアムは18時、総合テレビは20時から)。戦国時代や幕末を舞台にした大河が多い中、今作は宮藤官九郎氏のオリジナル脚本で“東京”と“オリンピック”を見せるという。日本がオリンピックに初めて参加した1912年から、オリンピックを初めて招致した1964年までの約50年間を描く“初めて物語”だ。果たしてどんな大河になるか。
勘九郎から阿部サダヲへ! 主人公はリレー形式
主人公は“マラソンの父”と呼ばれ、日本人としてオリンピックに初出場した金栗四三(中村勘九郎)と、初めて日本にオリンピックを招致したキーマンの一人として知られる田畑政治(阿部サダヲ)をリレーする形式で描かれる。歌舞伎俳優から個性派俳優への連係プレイは見もの。また、綾瀬はるか、役所広司、竹野内豊、生田斗真、橋本愛、星野源、松坂桃李、ビートたけし、小泉今日子といった強力な共演陣が織りなす芝居の場も大きな見どころとなりそうだ。
80年代半ばの大河に“近現代三部作”
大河が近現代史を扱ったのは80年代にまでさかのぼる。1984年から86年にかけて、“近現代三部作”として制作された。84年に山崎豊子原作・市川森一ら脚本、松本幸四郎主演で、日系アメリカ人が経験した戦争中の苦難などを描いた「山河燃ゆ」、85年に杉本苑子原作・中島丈博脚本、松坂慶子主演で、日本の女優第一号である川上貞奴を中心にした群像劇「春の波涛」、そして86年には橋田壽賀子オリジナル脚本、三田佳子主演で、終戦直後から放送当時の80年代までを描いた「いのち」。近現代史をテーマにするのは、今作「いだてん」が33年ぶりということになる。
脚本、演出、俳優…豪華な顔ぶれの手腕に期待
物語は希代の落語家・五代目古今亭志ん生(ビートたけし)が語る架空の落語「オリムピック噺」の語りにのせて進行。志ん生の視点で見た明治から昭和までの東京の変遷も描かれるという。オリジナル脚本とはいえ実在の人物が織りなした実話がベースであり、そこにクドカンや演出の井上剛氏をはじめとするスタッフ、そして大河ならではの豪華なキャスト陣が、どんな見どころを作り上げてくれるか楽しみでもある。 初回は「夜明け前」と題して、初の東京オリンピック招致目前の1959年の東京から始まる。大渋滞の日本橋を、寄席に向かう志ん生。その夜の高座で披露したのは、50年前の日本のオリンピック初参加にまつわる噺(はなし)だった。金栗の恩師でストックホルム大会を目指し悪戦苦闘していた柔道の創始者、嘉納治五郎を演じる役所をはじめ、安心して観ることのできる共演陣の充実ぶりは心強い。次から次へとさまざまな登場人物がそれぞれ確固たる存在感を持って登場し、これから約一年におよぶ大河の幕開けにふさわしい初回となっているというからお手並み拝見だ。 (文・志和浩司)