新作推理ADV『東京サイコデミック』&新作RPG『神箱』、注目の完全新規タイトル開発者に直撃「『神箱』は当初の予定より9倍広くなっちゃいました(笑)」
『ラグナロクオンライン』で知られるグラビティのグローバル戦略カンパニーとして2019年7月に日本で設立された、グラビティゲームアライズ(以下、GGA)。 【記事の画像(12枚)】を見る GGAはとくに新規IP(知的財産)の開発に力を入れており、2024年には『東京サイコデミック 公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿』と『神箱-Mythology of Cube-』の発売を控えている。 ふたつの完全新規タイトルは、“ジュヴナイル伝奇”と呼ばれるゲームジャンルを開拓したゲームクリエイターの今井秋芳氏とGGAがタッグを組み、開発が進められているのも大きな特徴だ。 そこで『東京サイコデミック』と『神箱』を手掛ける、GGAの神崎喜多氏と石井政仁氏にインタビューを実施。 それぞれのタイトルにおける役割や作品へのこだわりなど、開発秘話を伺った。両作にディレクターとして参加している今井氏とのエピソードも満載なので、今井氏のファンも必見だ。 時代背景を反映した世界観のいままでにない推理ADVに挑戦 ――『東京サイコデミック』における神崎さんと石井さんの役割を教えてください。 神崎 私はプロデューサーとして企画の立案から携わっており、方針決定などプロジェクト全体を総括しています。 ――石井さんの役割は? 石井 私は制作進行を担当していて、プロジェクトのスケジュール管理を行っています。 ――『東京サイコデミック』の開発はいつごろ、どのような経緯で始まったのですか? 石井 開発は2021年の夏ごろにスタートしていて、原案は神崎と今井さん(本作のディレクターで監督・脚本も担当する今井秋芳氏)が同年の春ごろから短期間で進めていたと記憶しています。 神崎 企画を立ち上げてからプロトタイプを作るまでとても早かったですね。もともと実際に起きた事象や事例を取り入れたポリティカル・フィクション(政治的な事柄を扱う作品)を作りたいという思いがあったため、企画が早くまとまったと思います。 ――本作は東京で未知のウイルスによる新型感染症が流行し、首都が封鎖されるという出来事から始まります。開発時期的に新型コロナウイルス感染症を連想させますが……。 神崎 コロナパンデミックを連想させる事象は意図的に取り入れています。もちろん、そのまま採用するのではなく、作中では東京都だけで発生していますし、現実世界では起きなかった“首都封鎖”、いわゆるロックダウンも起きている。 そんな絶望的な状況を乗り越えた“if”の世界を描きたいと、シナリオを担当してくださった今井さんと相談しながらベースとなる世界観やプロットを作っていきました。 完成したストーリーはもちろん、本作はどのような世界が舞台なのかを伝える実写による冒頭のニュース映像も、映像監督である塚田氏(日本ケーブルテレビジョン)にお願いしているので、クオリティーの高いものに仕上がっていて満足しています。 ただ、コロナパンデミックはセンシティブな話題だけに、プレイヤーがどのような反応をするのか、正直不安に感じることもあって。体験版の反応を見る限りはむしろ世界観に興味を持たれる方が多かったので、ほっとしました。 ――体験版をプレイしたユーザーからは、ほかにどのようなリアクションがありましたか? 神崎 世界観やシナリオ、実写を取り入れたオープニングなどがおおむね好評だった一方で、新しいことにチャレンジした科学捜査は操作方法、とくにボタン配置がわかりにくい、何をやったらいいのかわかりにくいというご意見もいただきました。 ――確かに、以前の体験版の仕様では多くのボタンを使うので、慣れるまで戸惑うかもしれません。 神崎 そこで、社内のふだんあまりゲームを遊ばないスタッフに改めて本作を遊んでもらい問題点を洗い出しました。プレイを始めてゲームに慣れるまでは苦労していたのですが、現在の体験版範囲まで遊ぶと操作方法を理解してくれる人が多いということがわかったんです。これが操作方法を改善する大きなターニングポイントになりました。 さらに、出展したイベントで体験版を遊んでくれたユーザーさんからのご意見も可能な限り取り入れたことで、製品版ではより快適にプレイできるようになっています。具体的に言うと、操作で使うボタンの数を少なくして、直感的にプレイできるように改善しました。 石井 先日配信したNintendo Switchの体験版も、皆様から寄せられたご意見をフィードバックしていて課題はクリアーできていると思います。すでにPC版などで体験版を遊ばれている方も、もう一度プレイして操作性の違いなどを確認してもらえるとうれしいですね。 ――作品名の“サイコデミック”という造語も印象的ですが、タイトルはどのようにして決まったのですか? 神崎 『東京サイコデミック』は今井さんの考案です。 タイトルがなかなか決まらない中でどのように閃いたのかは、今井さんからのインタビューで語っていただけると思います。『東京サイコデミック』で作品のイメージは伝わると思いますが、プレイヤーの立場や役割をより明確にするためにサブタイトルの“公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿”を付けています。 ――2024年2月29日のタイミングで、メインキャラクター6人のキャストが公開されました。紅葉巴杏役の千本木彩花さんや杵島・L・ユイカ役の沢城みゆきさんを筆頭に、豪華メンバーが出演されていて驚きました。 神崎 キャスト全員が最前線で活躍されている著名な方たちなので、お願いするのは難しいと思ったのですが、音響監督の有馬氏(クラックアップ)のお力添えもあり、理想のキャスティングが実現しました。 ボイスの量が多く収録に時間は掛かりましたが、キャストの皆さんの演技がすばらしく、とてもスムーズに進みました。Nintendo Switchで配信している最新の体験版には音声が入っていますのでぜひ遊んでいただきたいです。 先ほど石井がお話ししたように、操作性も一部改善されていますので、新鮮な気持ちで楽しめると思います。 ――キャラクターの音声が入っているところも、最新の体験版の注目ポイントですね。どの登場人物もお気に入りだと思いますが、とくに注目してほしいキャラクターは? 神崎 どのキャラクターも主人公にできるくらい気合を入れて生み出したので全員に注目してほしいのですが、体験版に登場する人物であえて名前を挙げるなら栢原隆一(声:森田成一)ですね。 本編では緊張感のあるシーンが続くのですが、栢原は緊張感を緩めてくれることがある、味のあるキャラクターなんですよ。もちろん、主人公のパートナーである紅葉巴杏(声:千本木彩花)も魅力的なので注目してほしいです。 ――石井さんはいかがでしょう? 神崎 石井さんは杵島・L・ユイカ(声:沢城みゆき)だよね? 石井 杵島をいちばん推していますね。本作のストーリーの中核を担っているキャラクターのひとりですし、彼女が事件の依頼を持ってくることでドラマが動き出すので、とくに印象に残っています。 神崎 手前味噌ですが、本当にどのキャラクターもかっこいいので、お気に入りの登場人物をそれぞれ見つけてもらえるとうれしいです。 ――キャラクターデザインもかっこいいですよね。作品に合っていると感じましたが、デザインはどのように決めていったのですか? 神崎 キャラクターデザインに関しては、こういう人物にしたい、デザインにしたいという理想が頭の中に明確にありました。よくいっしょに仕事をしているデザイナーの阿形朋夜さん(ORSO)にデザインをお願いしたのですが、実写合わせても違和感のないようリアルな雰囲気にしてもらっています。また、どのキャラクターを見ても興味を持ってもらえるように、魅力的なビジュアルに仕上げていただきました。 ――作品のリアルさは、実写を取り入れたことでも高まっていると感じました。写真は神崎さんも一部撮影したものもあるとのことでしたが、趣味が高じてプロデューサーみずから担当することになったのでしょうか? 神崎 カメラやレンズは、3Dの勉強をするために購入したものなので、写真撮影が趣味というわけではないのですが、撮影のタイミングで手の空いている人間が自分しかいなかったので、開発スタッフに撮ってきてくださいと頼まれたものを撮影したというのが実情です(苦笑)。 作中に使用している写真は、今井さんが撮影した写真もあって、開発チーム総出で制作していますね(笑)。 ――写真はどれくらい撮影したのですか? 石井 500枚くらい撮影していて、作中で使っているのは50枚ぐらいだと思います。 神崎 イメージカットを含めると、1000枚は超えているんじゃないでしょうか。開発スタッフに東京の街並みや雰囲気を改めて知ってもらいイメージを共有するために、スナップショットも数多く撮影しましたね。 ――ちなみに、実写を取り入れたアドベンチャーゲームは、古くは『街 ~運命の交差点~』(1998年発売)や『428 ~封鎖された渋谷で~』(2008年)、近年では『春ゆきてレトロチカ』(2022年)などがありますが、本作を開発するうえで影響を受けたり、参考にしたりしたタイトルはありますか? 神崎 実写アドベンチャーゲームをプレイして参考にした部分はありますが、本作ではほかの作品から影響を受けて実写を取り入れたのではありません。実写を取り入れたのは、先述した塚田氏が協力してくれたことの影響が大きかったですし、科学捜査に関しても実写にするとリアリティーが増してよかったので採用しています。 ただ、アナログの謎解きゲームはとても参考になりました。開発スタッフに好きな子がいてみんなで本格的な捜査体験ができるゲームをプレイする機会があったのですが、事件の捜査ってこうだよねと、再確認することができて。ルールやシステムのヒントになりました。 石井 私も実写アドベンチャーゲームは遊んでいますし、おもしろいなと感じましたが、本作との大きな違いは、いずれの作品もちゃんと配役を立てていて、キャラクターたちに感情移入がしやすい作りになっていると思います。 ですが、本作では登場人物ではなくオープニングや事件現場、監視カメラの映像、物証などに実写を取り入れることでリアリティーを追求しました。そこが従来の実写アドベンチャーゲームとの大きな違いになるかなと思います。 ――ゲームシステムで、とくに注力したポイントを教えてください。 神崎 いちばん注力したのは実際の刑事や探偵のように、自分で事件を調査する体感をアドベンチャーゲームで表現したところです。事件の整理を行う“エビデンスボード”も、そのひとつとして実装していて、今井さんから「時系列順に情報を貼っていくのがかっこいいんですよ」と力説いただきました。確かに刑事ドラマみたいですごくいいですよね。 ただ、ゲームに落とし込むのはたいへんでした。エビデンスボードを使ってどうやってストーリーを進行させればいいのか、集めた証拠をどうやって整理させるとユーザーにわかりやすいのか、なかなかいい答えを出せなくて……。体験版を配信する直前に、ようやくいまのような形にまとまりました。線でつなげた証拠の関係性がちゃんと合っているかどうか、チェックするのもたいへんでした(苦笑)。 石井 本当にたいへんでしたが、証拠を集めながらエビデンスボードを使ってくり返し事件の整理を行うようにしたことで、プレイヤーが推理しやすくなっているのはよかったと思います。調査パートが長ければ長いほど、推理するのが難しくなってしまうので。 リアルさを追求する今井さんは、監視カメラの映像をもっと長くして、プレイヤーに長時間の映像から証拠を見つけさせたいと提案していただきましたが、さすがにゲームのテンポが悪くなってしまうので、話し合ったうえで映像は数分程度の長さに落ち着きました。 神崎 あと、専門的な知識がないと推理することもできないので、専門的な知識を持つ仲間たち(“ダークピット”のメンバー)を登場させていますし、主人公のパートナーである紅葉がヒントをくれるようにフォローしています。 ――推理力に自信のない人でも遊びやすくなっていると。 神崎 メインターゲットは推理アドベンチャーや刑事モノのドラマが好きな方たちなので、ミステリーマニアが満足できる謎解きを用意しています。ただ、できるだけ多くの人に遊んでもらいたいので、推理アドベンチャーの初心者の方でも楽しめるように調整しました。 ――なるほど。ほかに印象に残っているエピソードがあれば教えてください。 神崎 各章のエンディングテーマに、coco.さんによるタイアップ楽曲『Yell (feat. Sleep cat & Lil Chill)』を起用したのですが、この曲を初めて聴いたときに感動しちゃって。 今井さんが紹介してくださったのですが、イントロがよかったのと、歌詞がすっと入ってきたんですよ。メインキャラクターであり、プレイヤーの相棒でもある紅葉自身を映し出しているように感じましたし、『東京サイコデミック』のプロジェクト全体を表現した応援歌のような気がして涙が出ちゃいました。すぐに石井さんに連絡したよね? いい曲だからとにかく聴いてくれって(笑)。 石井 覚えています(笑)。タイアップ曲を聴いたのが、プロジェクトがちょっと行き詰まっていた時期でもあったので、余計に感動が大きかったですね。 膨大なワールドガイドから作られた『神箱』の世界とゲームシステム ――続いて、『神箱』についてお聞きします。神崎さんと石井さんの役割を教えてください。 神崎 プロデューサーとして企画の立案をしていて、おもに世界設定やキャラクター原案を始め、本作の方針を決めています。 石井 私は『東京サイコデミック』と同様に開発管理を行いつつ、神崎と菊池たけし先生が生み出した膨大な量のワールドガイド(資料)をもとに、ゲームの世界設定の制作を行っています。 ――『神箱』の企画はいつごろ、どのような経緯でスタートしたのでしょうか。 神崎 『神箱』はもともと別のプロジェクトとして2020年の春ごろに立ち上がりました。 まずは1年ぐらいかけて、菊池先生といっしょに設定をまとめたワールドガイドを作りました。ワールドガイドには世界観や歴史など、あらゆる情報をまとめています。そこから実際に開発が始まり、当初はモバイルゲームの企画でしたが、紆余曲折あってコンシューマー向けに『神箱』を開発することになって……。 本作でも今井さんと相談しながら2021年の春ごろにバトルのモックアップが完成して、本格的な開発が始まりました。 石井 私はその時期に開発に参加しました。 ――『神箱』というタイトルには、どのような意味が込められているのですか? 神崎 新作のRPGを作ることは最初から決まっていたのですが、世界観を考えるにあたって、四角い箱の上で生活する世界を想像しました。その世界を俯瞰で見ると、“箱庭”みたいだと思って。それに神様が世界を見ているような雰囲気も感じたので、“箱庭”と“神様”から“神宿る箱”をイメージして『神箱』と名付けました。 石井 “箱”ではなく“匣”を使おうとしたのですが、ユーザーにとってわかりにくいですし、検索しにくくなってしまうので、“箱”を採用しています。 ――タイトルはわかりやすさも重要ですからね。『神箱』も体験版が配信されていますが、ユーザーの反響は? 神崎 遊んでくれた方たちの反響をいちばん感じられたのは、体験版を配信する前に出展した“BitSummit Let's Go!!”(2013年7月に京都で開催されたインディーゲームの祭典)でした。 弊社のタイトルの中で反応がよかったですし、小さなお子さんたちが楽しそうに遊んでくれたのも強く印象に残っています。大人はもちろん、子どもでも楽しめるRPGを目指していたので、それが実現できているのではないかと手応えを感じられました。 石井 『神箱』はバトル、パズル、クラフトと要素が多く、それぞれ操作方法を覚えなければいけないので、体験版を配信する前は正直不安でした。実際に遊んでくれた方たちは、それぞれの要素を楽しんでいただけたようなのでホッとしましたが、一方で操作方法がわかりにくいといったご意見をいただきました。 『東京サイコデミック』と同じく、『神箱』もいただいた意見をもとに遊びやすく調整していますのでご期待ください。 ――本作の体験版をプレイした際、ワールドマップを歩いていると、平面だった地形が立体になるのがワクワクして印象的でした。このアイデアはどうやって生まれたのですか? 神崎 ワールドマップを飛び出す絵本のように表現するアイデアは今井さんの発案です。開発当初は平面のフィールドを歩いていたのですが、このままだとおもしろくないと。 『神箱』の世界は立方体のうえに広がっているという設定があったので、それならフィールドを飛び出す絵本のように表現するのがいいのではないかと提案してくれました。 今井さんはほかにもさまざまなアイデアを出してくれたのですが、とくに印象に残っているのは、バトルで主人公が仲間にマナを与えるシステムですね。今井さんが作ってくれたバトルモックをチェックしたときに、主人公がキューブを握り潰して仲間にマナを与える姿を見て感動しました。自分がイメージしたものがバトルでしっかりと具現化されているぞと。 というのも、本作では主人公をRPGにおける勇者にはしたくなかったんです。 分断された土地を修復する特別な力は持っていますが、この力だけでは敵を倒すことはできません。主人公をいかにバトルで活躍させるのか悩んでいたときに、今井さんが設定を活かした活躍方法を考えて実装してくれたので、バトルモックを見て『神箱』はめちゃくちゃおもしろいゲームになると手応えを感じました。 ――今井さんとのやり取りで、ほかに印象に残っているエピソードを教えてください。 石井 今井さんに「ワールドガイドをもとに、ゲームに落とし込むための設定を作ってほしい」とお願いされたことですね。ワールドガイドに大まかな設定はあるものの細部までは作り込まれていないので、「ゲームに登場する場所をすべて考えてほしい」と言われて。 ただ、初めて携わった家庭用ゲーム機向けタイトルで世界設定の作り込みも担当しておらず、考え切れていないことが多くて打ち合わせのたびに今井さんに多くのアドバイスをいただきました。 気温や植生、生態系、さらには「この山はどうやってできたのか」と聞かれたりもして。挙げるときりがないくらい細部まで指摘があって、リアルな世界を生み出すためにはここまできちんと考えなければいけないのかと実感できて、苦労しましたが、いい経験になりました。 神崎 今井さんから「石井さんに任せてみたら」と提案してくれたんですよ。家庭用ゲーム機向けタイトルを初めて作る子に世界考証を任せるのはたいへんだけど、フォローするからって。それならぜひとお願いすることにしました(笑)。 石井 神崎 モバイルゲームで企画していたこともあり、パズルの操作性や触り心地は最初から意識していたのですが、最初はもっとシンプルなパズルでした。ですが、もっとおもしろくしたいということで、作りながらアイデアを盛り込んで本作独自のルールやシステムを考えていきました。 ――クラフトで印象に残っているエピソードもお聞きしたいです。 石井 クラフトできるものを2Dから3Dに作り直したことですね。2022年のBitSummitに出展したバージョンは2Dで表現していたのですが、弊社の経営陣から、「よりリッチな見た目にしてほしい」と言われまして、素材をすべて3Dで作り直すことになりました……。 結果的に3Dにしてよくなったものの、そのときすでに多くの素材を2Dで作っていたので、作り直すのは心理的にもこたえました(苦笑)。 神崎 3Dで配置したものに問題がないかどうか、いままさにデバック作業を行っているところです(苦笑)。 石井 『神箱』の開発も苦労が多かったものの、プレイヤーの冒険心を掻き立てるゲームにできたと自負しています。 広大な世界を気の向くままに冒険できるようにしていますし、好きなところに街や村を作ることができるので、世界修復の旅を自由に楽しんでもらいたいですね。じつは、フィールドの広さは当初考えていたよりも約9倍に増えています。 ――9倍!? かなり広く……。 石井 平面だったフィールドが立体になる、本作独自の楽しみを体験してもらいたいので、序盤はあえて便利な移動手段を用意していませんが、物語が進めば馬車や船を利用できるようになりますし、ファストトラベルも使えるようにしています。くり返しになりますが、細部までこだわって設定を考えたうえで世界観を構築していますので、世界のすみずみまで冒険してほしですね。 ――そうした数々の苦労を経て、2024年にふたつの作品がリリースされますが、今後チャレンジしてみたいことはありますか? 神崎 まずは『東京サイコデミック』と『神箱』を皆さんのもとに無事にお届けしなければいけませんが、ほかにも温めている企画はあるので、今後も新規IPを手掛けていきたいですね。そのためにもふたつの作品をお届けできるようがんばりますので、リリースした際は手にとっていただけたらうれしいです。 石井 『東京サイコデミック』や『神箱』の続編を作りたいです。とくに『神箱』は、今回ゲーム化したところ以外にも、広大な世界があり、長い歴史が存在しますので、『神箱』の外伝的な作品にもチャレンジしてみたいです。まずは2作品のリリースに向けて鋭意開発していますが、今後の動向にもぜひ注目してください。
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