森保ジャパンW杯最終予選「最強の26人」考察 三笘&伊東復帰で先発争い熾烈…パリ世代も台頭【コラム】
パリ五輪世代エース格の斉藤光毅、松木玖生もポテンシャル的には十分候補に
そのほか細谷と並ぶパリ五輪世代のエース格である斉藤光毅(スパルタ)、現在のA代表にもない特長を持つ松木玖生(FC東京)などはポテンシャル的には十分に入り得る。ただ、ここからしばらく親善試合など、テストがないのはA代表の経験者に比べて、不利な材料ではある。その意味ではミャンマー戦でA代表デビューした鈴木唯人(ブレンビー)は最終予選でも招集される可能性はあるのだが、伊東や三笘が復帰してくると攻撃的なポジションの競争が激しくなるので、このオフに移籍の可能性もある所属クラブで、さらに活躍を見せていく必要はあるだろう。 FWはミャンマー戦で小川航基が2得点1アシストを記録し、チームの1点目と2点目でも相手のディフェンスを引き付ける効果的な動きを見せたかと思えば、シリア戦では上田綺世が中村のクロスを豪快にヘディングで合わせるゴールなど、さすがの存在感を見せた。次回も2人とも招集される可能性が高く、あとはどちらがスタメンを張るかという競争になりそうだ。その意味で3人目は違ったタイプになりそうで、縦のスピードがある細谷は有力か。 前田大然(セルティック)は引き続き、サイドとの兼任になるだろう。もちろん6月は久しぶりに外れた浅野拓磨(ボーフム)が復帰する可能性もある。その場合、3バックなら前田と同じく1トップ、シャドー、ウイングバックの3ポジションが選択肢になってくるかもしれないが、パリ五輪世代も含めて攻撃陣の候補が増えてきており、メンバー入りを巡っても熾烈になっていくはず。その後、メンバーが固定的になるのか、入れ替わりが激しくなるかは最終予選のスタートとなる2試合の結果も大きく影響してきそうだ。 [著者プロフィール] 河治良幸(かわじ・よしゆき)/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。
河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji