アフリカのエボラ出血熱への対応が限界に ── 国境なき医師団が大規模対策を呼びかけ
アフリカ西部のギニア、シエラレオネ、リベリア各国で続いているエボラ出血熱の感染拡大に関して、現地で医療支援をしている国境なき医師団(MSF)は「対応能力は限界。これ以上多くの感染地に対応できない」とし、各国政府と援助団体による大規模な対策を求めるメッセージを出した。 MSFのメッセージによると、今回の流行は地理的分布と感染者、死者数の点で過去に例を見ない規模で、患者が確認された場所は3か国で計60か所を超えた。さらに他の地域へ拡大していくリスクが高いという。 感染3か国で活動中のMSFスタッフは計約300人。エボラ出血熱対策支援として、これまでに合計40トン余りの機器や物資を送っており、今年3月の流行発生以降、現地に専門治療施設を開設し、約470人を治療してきた。 MSFによると、MSFは現地で感染者を治療する唯一の医療援助団体で、対応は限界にきており、新規感染者と新たな感染地への対応に苦戦しているとしている。 世界保健機関(WHO)の最新のデータによると、流行発生以来の症例数は528件、死亡例は337件。