虎のソナタ ブタが飛ぶならトラだって羽ばたける 大谷サクセスストーリーに登場する名店「空飛ぶ豚」
日本ハム時代の大谷翔平は〝空を飛ぶブタ〟が大好きだった。 ブタが空を飛ぶはずがないやろ! 空を飛んでいるブタがいたら連れてこい! 全く意味が分からないぞ! 【写真】ヤンキース・ジャッジと談笑する大谷 まあまあ、最後まで読んでみてください。 日本シリーズ取材班の上阪正人と柏村翔は、ナイターの激闘終了後、デスクに叱られ、疲れ果て、深夜のもつ鍋店で傷口をなめあっていた。 すると、お店のおかみさんが教えてくれた。「ここは、日本にいた頃の大谷クンが博多に来るたびに、先輩の選手に連れられて、何度も寄ってくれたんですよ」と。 お気に入りは、名物の「明太もつ鍋とろろ入り」。聞き慣れないメニューを2人が食すると、これが筆舌に尽くしがたいおいしさだった。 もつ鍋のシメは、チャンポン麺が定番だが、ここは雑炊がお薦め。ダシの中に散乱した明太子のツブツブは、麺よりもゴハンのほうがよく絡む。 さらにスーパーメジャーリーガーのお気に入りだった博多一口餃子も、圧倒的に美味だった。 ゴマカンパチもゴマサバもオリジナルポンズも、みんなおいしい(これは上阪記者談)。食しながら、柏村がつぶやいた。 「メジャーに行った大谷は、ほとんど外食なんてしなくなったんですよね。野球のことだけを考えて、出歩くこともしなくなったとか。ということは、米国では『大谷がよく来る店』もないのかな。日本にある『昔、通っていた店』に来ることも、もうないんでしょうかねぇ?」 ストイックに夢を追い求めて二刀流に挑戦し、「優勝したい」という思いを実現するためにドジャースに移籍した大谷。ついに「世界一」という勲章を手にした。すごい。マネはできない。 煩悩のかたまりでもある柏村記者は「超一流の記者になれるぞ」と言われても「明太もつ鍋とろろ入り」を我慢するようなタイプではない。だから、これから先も博多に来たら、おいしい誘惑には負け続けるだろう。 阪神の選手たちも「大谷」になれるんだろうか? 大谷ほどではなくても、虎党を喜ばせるスターにはなってほしい。チームは「藤川阪神」に生まれ変わって、その第一歩を踏み出すために、空路、キャンプ地・高知へ移動していった。 「監督がかわると、チームの雰囲気は一気に変わりますよね。僕もトラ番時代に、矢野新監督の秋季キャンプを取材しました。ファンを大切にしたいという意向で毎日、サブグラウンドやブルペン横でサイン会を開催。大行列ができていました。ファンはうれしそうだったなぁ」