“空白の12日間”への指摘も 日大の“不適切”対応…第三者委が報告書提出 あす会見へ
日テレNEWS NNN
日本大学アメフト部の薬物事件の対応について、大学の第三者委員会が報告書をまとめ、30日、文部科学省に提出しました。日大の不適切な対応についての報告書。その中身が明らかになってきました。 ◇◇◇ 30日午前8時半頃、日本大学の林真理子理事長は…。 日本大学 林真理子理事長 「おはようございます」 記者 「理事長、臨時(理事)会では、どのようなお話をされる予定ですか?」 林真理子理事長 「…」 問いかけに答えることなく足早に去って行きました。向かった先は日本大学の本部で、午前11時から理事会が開かれました。 アメフト部の違法薬物事件をめぐり、日大は午後5時前、第三者委員会がまとめた報告書を文科省に提出しました。その報告書の概要説明を受けるため、臨時理事会が行われたのです。理事会には“解任”を呼びかけられている澤田副学長も参加したといいます。 日大の不適切な対応についての報告書。その中身の一部が関係者への取材で明らかになってきました。それは、今年7月に、アメフト部の寮から大麻とみられる植物片が発見され、警察に届けるまでのいわゆる“空白の12日間”についての指摘です。 日本大学 澤田副学長(今年8月) 「その日にはまだ(学生が)自首できる状況にはないという判断に至りました。そのため、すぐに警察に“ブツ”を引き渡すということは致しませんで…」 当時、大学側が植物片を発見したあと、澤田副学長が7月7日に酒井学長に状況を報告。しかし、学長は林理事長に伝えず、発見から7日後になって澤田副学長が理事長に報告と、情報共有に時間がかかっていました。さらに警察に届けるのも遅れ、その結果、12日間保管し続けることに。 この部分に関して報告書では、以下のように問題を指摘しました。 <指摘1>酒井学長が林理事長に伝えなかったこと <指摘2>酒井学長と林理事長が、すぐに学内の危機管理規定にそった行動をしていないこと <指摘3>林理事長が理事会を招集しなかったこと <指摘4>そもそも12日間保管したことが問題だった この問題の他にも「大学の情報共有体制の不十分さ」や「ガバナンスの再構築が機能していないこと」などが挙げられたといいます。この対応について8月の会見では、「林理事長の対応は適切だったか?」という質問に対し、林理事長は「はい。(適切だったと)考えております」と答えていました。 ◇◇◇ 一方、部員の大麻使用については“疑念”もあります。 これまでに3年生の北畠成文被告(21)と4年生の部員の2人が逮捕されている日大アメフト部。会見時点では“違法薬物が部内で、まん延しているとは考えていない”としていました。 しかし、日本テレビが入手した8月下旬に開かれた日大の幹部会議の内部資料には、「4月頃まで大麻を使用していた。一緒に使用していたのは…」という文字がありました。逮捕された2人以外のアメフト部員が、自身も大麻を使用していたと認めた上で、自身と逮捕者含め10人の部員が使用していたと話し、さらに、警察が家宅捜索したとする1人、計11人が使用していた疑いがあると報告されていたのです。 警視庁は、部内で薬物使用がまん延していた可能性があるとみて捜査を続けています。 アメフト部の不祥事で揺れる日大。第三者委員会は31日午後4時から、調査・検証の内容に関して記者会見を行う予定です。