食事減らし家族みんな痩せた、エアコン節約で子どもが熱中症に 物価高で窮地のあしなが奨学生家庭
「牛乳も買えない」「わが子を進学させられるか」…。保護者の自由記述には不安がにじんでいる。一部を紹介する。 ■健康上の理由で働けず、障害年金で生活を支えていただいている家庭です。息子たちはかなえたい目標があり、毎月のようにある模試や教材などの出費が多く、切り詰めるにも限界を感じています。進学するごとに上がる教育費と物価高に底知れぬ不安があります。(山口、40代母親) ■次の電気代も、恐らく払えない。食事の一日一食は今始まったことではないので、耐えられます。下の子の学校の旅行積立金を払うことができません。(埼玉、50代母親) ■光熱費の高騰は気絶しそうな金額になってきています。食事の品数を1品にし、量も減りましたが、牛乳も娯楽となり、買えなくなりました。お米も買っていません。おかずのみです。私自身の食事を減らしたところ貧血になり、倒れてしまいました。(大阪、40代母親) ■物価高で食事の量を減らしているため、家族全員痩せてきています。光熱費を抑えるためにエアコンを付けないようにしていて、先週私と次男が熱中症になり苦しい思いをしました。(北海道、50代母親) ■給料が上がったために非課税世帯から外れてしまいました。上がったとはいえ、1万ぐらいでそのせいで余計に生活が苦しくなっています。(愛媛、40代母親)
諦めかけた時、奨学金が夢を後押し 街頭に立つ大学生
広島文化学園大1年の西川琉夏さん(18)は19日からの募金活動に参加する。奨学金を受けて看護師の夢を追う西川さんは「奨学金に救われた自分だからこそ訴えられることがある」と、街頭で協力を呼びかける。 小学2年の頃から、看護師を目指してきた西川さん。きっかけは母方の祖母の病死だった。自分は何もできなかったという無念さと同時に、看護師に尊敬を感じた。「祖母の痛みや不安に寄り添い、私たち家族も支えてくれた」。自分もそんな存在になりたいと思い続けてきた。 しかし、西川さんが高校に入る直前、父親が病気になり、失明した。母親一人の収入と奨学金で高校に通っていたが、高3の春、その母親が勤め先から退職に追い込まれた。目標を諦める覚悟もした。 そんな時、親に奨学金での大学進学を勧められ、光が見えたという。今は看護学科で目標に向かって勉強に励んでいる。母親は新しい職場を見つけ、父親と、同じく視覚障害のある祖母を支えながら仕事に汗を流す。西川さんは「感謝しかない」と語る。 学生募金事務局の活動に関わる中で、家庭の事情で進学で悩んだり、断念せざるを得なかったりした仲間や後輩にも出会った。「周囲にも『あしなが』を知らない人は多い。一人でも多くの人に支援の必要性を感じてもらえるよう、街頭で訴えたい」と話している。 <広島県内での募金日程> ■そごう広島店前、八丁堀交差点 19、20、26、27日正午~午後6時 ■広島パルコ前 26、27日正午~午後6時。 ■福山駅南口 19、20日正午~午後5時。 ※寄せられた半分を奨学金に、残りはアフリカの遺児の高等教育支援費に充てる。
中国新聞社