「すべてのいのちは等価」太陽の塔で内部見学会
「すべてのいのちは等価」太陽の塔で内部見学会 撮影:岡村雅之 THEPAGE大阪
万博記念公園(大阪府吹田市)の太陽の塔で29日、内部再生前最後の内覧会が開かれた。内覧会は30日も開かれ、抽選で選ばれた延べ1300人が見学する。31日から再生工事が始まり、改修後の2018年3月には公開される予定だ。 2代目通天閣60周年 てっぺんから撮影した360度画像
耐震性などを高めて工事完了後は一般公開
内覧会に先立ち、新井純副知事や万博開催時の元テーマ館スタッフなどが出席して、再生工事に伴う寄付金募集開始式典が催された。内部再生事業広報担当アンバサダーを務める河内音頭の音頭取り河内家菊水丸さんが、太陽の塔を盛り込んだ河内音頭の一節を披露。内部再生プロジェクトの推進を祝福した。 式典終了後、参加者が太陽の塔へ移動して内部を見学。元万博関係者たちは懐かしそうに見入っていた。太陽の塔は1970年開催の日本万博のシンボルタワーとして建設された。芸術家の故岡本太郎さんの作品で、圧倒的な存在感は半世紀近くを経ても、色あせない。内部にはオブジェ作品生命の樹がそびえ、開催時には多くの生き物たちの模型が幹や枝に展示されていた。 一部で傷みが激しくなったため、耐震性や安全性などを高めて修復。長らく原則非公開だったが、改修後は万博開催時のように、一般公開されることになった。
太陽の塔が目を覚まし本領発揮はこれから
岡本さんの活動を支えていた岡本太郎記念館館長の平野暁臣さんは、生命の樹の根元に立ち、再生工事への期待を表明。「生命の樹に宿るすべてのいのちは等価であるというのが、岡本の本当のメッセージだった」と分析。「再生工事が終われば、太陽の塔が目を覚まし、息を吹き返す。太陽の塔が本領発揮をするのはこれからだ」と、熱く語った。
見学した京都在住の20代カップルは「想像以上に壮大な空間。生命の樹にいのちの大切さを学んだ」「最上部まで上ってしっかり見たいので、改修後にまた来ます」と、興奮気味に話していた。 内覧会は30日も開かれ、約8万人の応募者から抽選で選ばれた延べ1300人が見学する。31日から再生工事が始まり、改修後の2018年3月には公開される予定だ。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)