JU米子高島屋×地元生産者コラボ スイーツ商品を自社開発・製造 プロジェクト開始 鳥取県
百貨店のJU米子高島屋(米子市角盤町1丁目)が、鳥取県内の事業者や生産者とコラボレーションしてスイーツなど食料品を中長期的に開発するプロジェクトを始めた。地元食材の魅力を引き出しながら、百貨店ブランドを生かして県内外に発信し、生産者の収益向上を後押しする。メーカーの商品を委託販売する従来ビジネスから、自社で企画から製造、販売まで一貫して手がけて中間コストを削減するなどし、収益向上を目指す。 【松江の銘菓】島根県産ヨモギで「若草」復刻 不昧好みの香り、色目指す
プロジェクトに合わせ、今年2月に菓子製造業許可を取得し、パティシエが店内にある厨房を使って製造する体制を整えた。これまでに鳥取県江府町の事業者が手がける「奥大山の水洗い珈琲」と大山乳業農業協同組合(鳥取県琴浦町保)の「白バラ牛乳」を使った「コーヒーロールケーキ」をはじめ、JA鳥取中央(倉吉市越殿町)と組んだ「梨ジュレプリン」など、計3種のスイーツを発売した。 百貨店は従来、メーカーの商品を仕入れて委託販売するビジネスモデルが基本だったが、自社で企画、製造、販売を一貫して手がけることでコストを削減でき、価格決定権も得られる。百貨店の客層は品質を求める傾向が強く、百貨店ブランドの信頼性を生かして質の高い商品を適正価格で提供し、利益を出していく。 スイーツから始めたが、今後は幅広い食料品に対象を広げる考え。来年度以降、新規ブランドを立ち上げ、将来的には島根県を含めた山陰両県の食材を活用していく方針。冷凍販売できる食料品は、ネット通販で全国から通年で購入できる体制を築く予定だ。
同店の2024年2月期の売上高は40億1100万円で、オリジナル商品の投入で収益性を高めていく。営業部の奥田和明課長は「世にある良いものをただ販売するだけでなく、育てていくことで、将来にわたって残る名物や価値を地域に生み出せたらいい」と話した。