【考察】日経平均株価が最高値を更新…1990年代「バブル崩壊」のように暴落してしまうのか
バブル期と現在の「日経平均株価」の違いは?
ご紹介したPERとEPSの読み取りは「株価指数全体」への把握にも応用できます。 現在の日経平均株価のPERとEPSをバブル期のものと比較していきましょう。 ●2024年現在の日経平均株価のPERとEPS 2024年3月時点における日経平均株価のPERとEPSは、一体どれくらいなのでしょうか。 3月1日時点のデータを確認すると、PERは16.8、EPSは2375.64です。 ●バブル期の日経平均株価のPER 次に、バブル期の日経平均の株価のPERとEPSを見ていきます。 みずほリサーチ&テクノロジーズのレポートによると「1989年は、PER理論値が22.3倍であるのに対し、実績値は63.3倍と過度に割高」であったと記されています。 その他資料をながめても、PERは平均で50~70倍を推移していたと記録されていました。 現在の株価と比較するとかなり高い数値であり、単純な数値比較だけで「同義」とは言えないことがわかります。
今の日経平均株価は、指標的にはバブルと同義と言い切れない
現在の日経平均株価はバブル期と比較し、期待値である「PER」が牽引する株高ではなく、企業の稼ぐ力である「EPS」が牽引している株高といえそうです。 とはいえ、株式相場はずっと右肩上がりとは限りません。バブル崩壊時のようにはいかなくとも、株価が下がる可能性は大いにあります。 そんなときのためにも、予防策を講じるのがよいかもしれません。 積立投資のような手法で投資時期を分散させ、長期的に資産形成していくことが解決策のひとつといえるのではないでしょうか。 ※編集部より:ご指摘を受け、記事中の誤字を一部訂正しております。申し訳ございませんでした。(2024/03/14 15:20)
参考資料
・日本証券業協会「投資の時間 PER」 ・みずほリサーチ&テクノロジーズ「迫る日経平均株価3万4,000円─ 再びの「資産バブル」には要警戒 ─」
荒井 麻友子