ラピダスの開発受託で急騰、「半導体洗浄装置」企業の野望
房野正幸(ぼうの・まさゆき)/1958年生まれ。1995年エス・イー・エス(前身であるスガイ)入社。2004年同社執行役員。2009年ジェイ・イー・ティ設立、取締役。2012年常務を経て、2013年代表取締役社長就任(撮影:今井康一)
ウェハーを複数枚まとめて処理するバッチ式と呼ばれる半導体洗浄装置を得意とするジェイ・イー・ティ(6228)が9月25日、東京証券取引所スタンダード市場に上場した。岡山県里庄町に本社工場があり、東アジアの半導体トップメーカーを顧客とする。短納期ながらも、きめ細かく顧客ニーズに対応するカスタマイズ性を売りに競合と差別化し、アメリカ市場への再進出などにより収益拡大を期す。前身は2009 年に破産手続きを行った、元JASDAQ上場のエス・イー・エス。経営破綻後、販売代理店だった韓国同業ZEUSの全面支援を得て、岡山工場など事業を譲り受けて設立された。12月1日には、北海道で超微細半導体の生産プロジェクトを推進するRapidus(ラピダス)から研究開発業務を受託し、同社製造ラインへの装置納入を目指すと発表。株価はこのサプライズに反応し急騰。いったん高値圏でモミ合ったが、12月19日以降、出来高を伴って再着火。12月22日の終値9030円は初値4420円の倍以上となり、さすがに過熱感があるものの、半導体関連のニューカマーとして年末残りも相場を賑わしそうだ。房野正幸社長に、足元の市況感や事業展望などについて聞いた。
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古庄 英一