「圧倒的な飛距離と磨かれたアプローチ」笹生優花選手が2度目の全米女子優勝!元賞金女王・平瀬真由美さんが語る勝因と日本勢の成長
さらに磨きがかかった「アプローチ」
笹生選手は幼い頃から父・正和さんと共に、ボクシングやウェイトトレーニングを通じて力強いショットを鍛え上げてきた。そして世界の難コースを転戦する中で、アプローチショットも更なる磨きがかかってきたという。 ーー飛ばす技術に加えて小技も磨かれている? アメリカに行く前はドローボールがメインでしたが、今はフェードも打ち分けながら戦っています。アメリカのツアーだとフェードでないと攻めることができないホールがいくつかあるので、学んでいったのだと思います。 そして、有名なのはやはりグリーン周りからのアプローチショットです。ボールを上げるのも転がすのも本当に上手い選手です。世界中の難しいゴルフ場を転戦し、いろいろな芝に対応できる技術を磨いていると思います。 ーー笹生選手に特別な練習法はある? 笹生選手がまだ日本ツアーに出ている時に練習ラウンドに付いて回ったことがありますが、グリーン周りから高く上げるボールを何度も練習していたのを覚えています。ロブショットというのは、それほど頻繁に使うショットではありませんが、ボールとクラブで遊ぶような感じで技術を磨いていました。 転がさなければいけないところはしっかり転がして、上げなくてはいけないところはきっちり上げる。今回の大会だと3日目の17番ホールの右からのバンカー越えのアプローチは、ギリギリのところに上げて落としてパーセーブしました。 映像でも何回も再生されていましたが、あのショットは本当に素晴らしいと思いました。もともと技術は持っていましたが、あの場面でそれを出すことができるのは凄いと思います。
トップ10に日本勢5人
今大会では渋野日向子選手も通算1アンダーで2位につけるなど、トップ10に日本人選手5人が入る大躍進となった。また、獲得賞金も決勝ラウンド進出を果たした14選手の合計が8億1600万円以上となり、全体の40%を超えた。 ーートップ10に日本人選手が5人入ったが? 距離もあって難しいコースでしたが、たくさんの日本人選手が全米女子オープンに出る時代になりました。そうすると「彼女にできるのなら私もできるはず」といろいろな選手が思い、実力を発揮する場になってきたのだと思います。レベルも上がり、アメリカツアーに慣れるのも早くなってきました。 また、今年はパリ五輪もあるので、ランキング上位の選手はかなり意識していたと思います。 ーー平瀬さんの姪にあたる竹田麗央選手も9位に入ったが、お祝いメールは? 竹田選手にとって初めてのアメリカツアーでしたが、9位になり自信がついたと思います。予選を通って良かったと思っていたら、トップ10にまで入ったので素晴らしかったです。しかし余計なことを言う叔母ではダメなので連絡先も知りませんし、全く連絡はしていません!