小島央大の監督作「火の華」予告解禁、主題歌は大貫妙子&坂本龍一の「Flower」
「JOINT」の小島央大が監督・企画・脚本・編集・音楽を担った「火の華」の全国公開日が、12月20日に決定。あわせて予告編がYouTubeで公開されたほか、主題歌として大貫妙子と坂本龍一による「Flower」が使用されるとわかった。 【動画】「火の華」予告編はこちら 実際の報道に着想を得た本作では、元自衛官の壮絶な経験とその後の宿命が描かれる。闇の武器ビジネスに加わる花火師の島田東介を「JOINT」の山本一賢が演じ、小島と共同で企画・脚本も担当。彼を見守る昭子役で柳ゆり菜が出演したほか、松角洋平、キム・チャンバ、ダンカン、伊武雅刀もキャストに名を連ねた。 予告編は、PKO(国連平和維持活動)のため南スーダンに派遣された島田が少年兵と銃を向け合う姿から幕開け。この前代未聞の戦闘を隠蔽するようにと上官から指示されるシーンも確認できる。そして2年後に島田は花火師となるが、無数の花火の爆音が銃の乱射音と重なり、銃撃戦のフラッシュバックが引き起こされたことでPTSDを発症してしまう。映像には、昭子らの励ましによって救いが見えた島田に「来てくれ、頼む」と電話がかかる場面も収められた。 2010年にリリースされた「Flower」は、14年の時を経て主題歌に使用された。大貫は「私がそこを動けないとしても。私から解き放たれた私の種子は、自由に飛んで行ける。どこまでも! そのために私が今、することは『風を選ぶ』ということだろう」とコメントする。そして小島は、本作の原案段階から「Flower」を幾度も聴いたと明かし「楽曲の壮大でかつ親密な世界観に、花火の刹那が重なり合う『光と闇のモザイク』。この曲で映画を締めくくることができて光栄です」とつづった。 「火の華」は東京・テアトル新宿、ユーロスペースほか全国で公開。12月13日に新潟県で先行公開される。 ■ 大貫妙子 コメント 私がそこを動けないとしても。私から解き放たれた私の種子は、自由に飛んで行ける。 どこまでも! そのために私が今、することは「風を選ぶ」ということだろう。 ■ 布施祐仁(ジャーナリスト)コメント これは単なる「フィクション」ではない。南スーダンでは実際に自衛隊の活動地域で内戦が勃発した。自衛隊の海外での活動は法律では「非戦闘地域」に限定されているが、日本政府は「戦闘ではなく衝突」と強弁し、現地部隊が「戦闘」と記した日報は隠蔽された。国家の命を受け、時には命を懸けて任務に当たるのが自衛官だ。本作品を通じて、その重みを多くの人が我が事として受け止め、この国のあり様を深く考える契機となることを願ってやまない。 ■ 多田祥太郎(テアトル新宿 支配人)コメント 「火の華」を来たる12月に上映する事が出来、大変喜ばしく感じております。 というのもテアトル新宿では一昨年、昨年と12月公開作品として「ケイコ 目を澄ませて」「市子」を上映して参りました。 2作品とも非常に話題に上った映画ではありますが、両作ともこの世界の未知の部分の広大さと、しかしそれは自分のすぐそばにも間違いなく存在しているんだという実感を映画を通して与えてくれました。 世界の広がりと同時に様々な人生を近くに感じる事が出来る、それはまさしく映画を観る醍醐味の一つだと思いますし、そうした映画を上映する映画館でありたいと思っております。 「火の華」は、光の届かない世界の深さとそこに間違いなく存在している人生とが重たい実感を持ってこちらに迫ってきます。 そのリアルな手触りは「ケイコ 目を澄ませて」「市子」と同様、映画の醍醐味に溢れています。 ■ 小島央大 コメント(主題歌「Flower」に寄せて) 「Flower」は本作の原案段階から、幾度も繰り返し聴いた楽曲です。 脚本や撮影期間で何かと行き詰まった時も、 何か光を示してくれるような特別な曲でした。 楽曲の壮大でかつ親密な世界観に、花火の刹那が重なり合う「光と闇のモザイク」。 この曲で映画を締めくくることができて光栄です。 (c)animoproduce Inc. All Rights Reserved.