ばいきんまん声優・中尾隆聖「悪役は楽しい!」【伊藤遼の声優 一答遼談】
■夢を夢で終わらせないために、中尾隆聖からのメッセージ
――夢を追いかけている人たちへアドバイスをするとしたら、どんな言葉をかけますか? 一番大切なのは仕事をしている時もそうですけど、仕事をしていない時に、どう(準備する)かってことですよね。思い続けられるかってことですよ。だって仕事なんていつ来るかわかんないですもんね、結局。でも。いつか来るわけじゃないですか。その時までちゃんといいコンディションのまま、“いつ来ても頑張れる”という、いい待ち方をして、その時に勝負ができるようにする。1年でも2年でも仕事がなくても、私はこれをやるんだということで、待ち続けることができる人が結局は残っていけるってことなんじゃないですかね。みんなその前にやっぱり、ダメだなってなる人も多いんですけどね。でも、それを待てるかどうか。ただ待つだけじゃなく、その準備をしつつ、待てるかどうかってことなんじゃないですかね。自分の中で(夢を)かなえるためにどうしたらいいのかっていうのは、自分で考えてやっていかなきゃいけないんじゃないですかね。
【お話を聞いて一答遼談!(編集後記)】 有名な悪役を演じる中尾隆聖さん。役柄とは全く違う柔らかく温かな雰囲気と話し方に、心地のいいギャップを感じました。 主役に勝てないのはわかっていて、何度も立ち向かうところに悪役の魅力を感じているというお話には衝撃を受けました。主役にスポットライトが当たることが圧倒的に多い中で、中尾さんは自分の演じるキャラクターを愛し、心から楽しんで負ける演技を続けているのです。考え方一つで自分のポジションを好きになれるのだと、勉強になりました。 ばいきんまんは、アンパンマンのように心の優しい方が演じるからこそ、国民から愛される悪役なんだなと感じるインタビューでした。
【中尾隆聖プロフィル】 東京都出身。『それいけ!アンパンマン』のばいきんまん、『ドラゴンボールZ』のフリーザ、『BLEACH』の涅マユリなど、数多くの人気作品で主要キャラクターを演じる。第25回日本映画批評家大賞のアニメ部門最優秀声優賞や第11回声優アワード富山敬賞を獲得。趣味が乗馬やウインタースポーツと、アクティブな一面も見せる。 企画・取材:日本テレビ 伊藤遼