「部下の話をよく聞く」上司が最後に口を開く理由 会議を活性化できるリーダーはどこが違うのか
あなたの周りには、最初に自分の意見をとうとうと述べた後で、「それでいいな」と念押ししてくる上司はいないだろうか。 こんなやり方は、意見の多様性を封じるだけでなく、あとで何か起きたときに、上司が「君もあの場にいたんだから、そのときに言えばよかったじゃないか」と言えるようにするためのものでしかない。 そう手厳しく批判するのが、米海軍の原子力潜水艦「サンタフェ」で艦長を務めたマルケ氏だ。では、メンバーから多様な意見を引き出すにはどうしたらいいのか。 【写真を見る】信頼されるリーダーになるための必読書
マルケ氏がまとめた、リーダーの言い方についての指南書『最後は言い方』から紹介しよう。 ■最初に発言する人はだれがいいか 意思決定を行うときに避けたいのが、上司が決めたあとで、周囲にそれでいいかと確認するやり方だ。 これは、「君もあの場にいたんだから、そのときに言えばよかったじゃないか」と上司があとから言えるようにするためのものでしかない。 しかも、上司が先に発言してしまうと、下の者には、上司の意見に同調せざるをせないという圧力がかかる。
メンバーからの意見を引き出し、多様な意見を最大限に引き出すには、集団で議論を始める前に、その場にいる人の意見を個々に表明してもらえばいい。 それを実行するやり方には、いくつかあるが、ここでは、投票してから議論するというやり方を、例を使って紹介しよう。 ある企業が、製品の発表を遅らせるかどうかの決断を迫られているとしよう。5日後に発表することはすでに告知ずみだ。 賛成派、反対派、それぞれ言い分とは スケジュールどおりの発表を支持する人々は、こんな主張をしている。
「約束を守るべきだ」 「早期に市場で試してフィードバックをもらうほうがいい」 「終わらせて祝杯をあげたい」などと主張する。 一方で、発表を遅らせたほうがいいと考える人々は、 「重要な機能の実装が完全ではないし、小さなバグがいくつか残っている」 と主張している。 決断は2択(スケジュールどおりに発表するかしないか)だが、決断に至るまでの意見は2択ではない。 ■まず、異端児に話してもらおう ここでパーセントカードの出番だ。パーセントカードとは、1、5、20、50、80、95、99という数字が書かれているカードだ(このカードの活用例はこちらの記事も参照)。