【解説】株価「反発」…過去最大の上げ幅記録 乱高下…生活や賃上げムードに影響は?
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5日の日経平均株価の大幅な下落から一転、6日の株価は過去最大の上げ幅を記録しました。今の賃上げムードや私たちの生活に、今回の株価の乱高下は影響があるのでしょうか。日本テレビ経済部・金融担当キャップの渡邊翔記者が解説します。 【画像】“パニック安”から一夜明け買い殺到 日経平均「史上最大の乱高下」影響は?
■株価V字回復…なぜここまで一気に?
鈴江奈々キャスター 「歴史的な大暴落から一夜明け、6日の株価は過去最大の上げ幅を記録しました。そこで6日の3つのポイント、『大暴落後の大反発 なぜ?』『賃上げムードに影響は?』『株価乱高下 今後は?』を聞いていきたいと思います」 「まずは1つ目『大暴落後の大反発 なぜ?』についてですが、7月1日から8月6日までの日経平均株価の動きを見ると、大暴落から一転して6日はV字回復、一気に値を上げまして過去最大の上げ幅を更新する形になりました。なぜここまで一気に反発したんでしょうか?」 経済部・金融担当キャップ 渡邊翔記者 「これだけ回復するというのは、裏を返せば、それだけ5日の株価が日本経済の実態以上に下がってしまっていた、ということがいえるんだと思います。5日の暴落について市場関係者に取材すると、投資家の中でも『投機筋』といわれる、短期的な売買でもうけようとする一部の人たち、それから一旦ここで利益を確定させようという海外投資家や機関投資家の動きがかなり大きく影響したのではないかという見方が出ています。逆にある大手の証券会社では、5日は個人の投資家の間では、むしろ株を買う動きの方が多かったということです。一部の動きの中でどれだけ大きな幅が出たかということですが、6日はそんな中で売りが売りを呼んでいた5日のパニックも落ち着き、そうした『下げすぎていた部分』が元に戻ったというふうに分析できるかと思います」
■株価の乱高下…賃金や生活に影響は?
鈴江キャスター 「実態はそれほど悪くはないという形で反発したということですが、2つ目のポイント『賃上げムードに影響は?』について聞いていきます。6日、厚生労働省が発表した今年6月の実質賃金が27か月ぶりにプラスとなりました。つまり、物価の上昇よりもようやく賃金の上がり方が上回ったというニュースですが、この企業の好調な業績がようやく私たちの暮らしに還元され始めたというニュースでもありますが、今回の乱高下がこの賃上げの動きに影を落とす可能性というのはあるんでしょうか?」 渡邊記者 「もう少し長い、先の株価の動きを見ないとなんともいえないところではありますが、可能性としてはなくはないかもという感じだと思います。というのは、専門家に聞くと、一般論として、株価が下がったということで賃上げがしにくくなる可能性はあるということです。どういうことかというと、株価が好調ということは、市場や世間から見てその企業の評価が高いということですから、例えばその企業が商品の価格を決めるときも強気の価格設定がしやすい。商品の価格を上げていきやすいということは、企業の収益アップにつながりますから、その企業の賃金も上げやすくなるということです。逆に株価が大きく下がってしまうと、企業としては賃金を少し上げにくくなるということで、株価のこの動きも回り回って私たちの賃金に影響してくる可能性はあるということでした」