「店員さんに一目惚れ」で筋トレ開始 溝の深い丸々とした筋肉の27歳・朝3時起きのエンジニアが2冠獲得
ボディメイク競技の中で、一番筋肉量の必要なカテゴリーはボディビル。筋肉を大きくするには年単位の時間がかかるため、ボディビルの新人選手が一般の部で活躍することはなかなか難しい。しかし、マッスルゲート京都大会ではボディビル新人の部の優勝者が、一般の部65kg以下級でも優勝した。 【写真】高田健太選手の溝が深いボコボコの腹筋
高田健太(たかだ・けんた/27)選手は電子部品メーカーで働くエンジニアだ。「毎日朝3時に起きて4時からトレーニングをして、その後会社に出社して仕事をするという生活を送っています。早朝にトレーニングすることが自分のアイデンティティみたいなところがあります」 こう聞くとストイックな筋肉オタクのようだが、筋トレを始める前まではごく普通の青年だった。 小中高の部活動と大学のサークル活動で12年、バスケットボールをしていたという高田選手が筋トレを始めたのは大学院に通っていた23歳のころ。 「当時住んでいた家の近所の薬局の店員さんに一目惚れして、かっこよくなって振り向いてもらおうとしたことが始めたきっかけです。気づいたらどんどん成長する自分の筋肉のことの方が好きになっていて、薬局に通うのをやめて毎日ジムに通うようになっていました(笑)」 昨年までは別カテゴリーで大会に出ていたが、今回ボディビルに初挑戦した。 「大会に出場するうちに、ステージを楽しみたいという気持ちが強くなったため、ポージングの種類が多くフリーポーズも取ることができるボディビル出場を決めました。また、ジムで知り合った方々から、自分はボディビルの方が向いているとアドバイスをいただいたということも転向を決めたきっかけの1つです」 自身の強みは「とにかく努力できること」、という高田さん。 「ボディビル的には絞りや仕上がりの点で、その強みを発揮できたかなと思います。筋肉で言うと特別発達している部位がないですが、逆にそのバランスの良さが自分の長所になっているかなと思います。身体づくりとしては全身のバルク、特に前から見たときの脚のサイズが課題だと思っています」 憧れている選手は昨年日本選手権で7位の木村征一郎選手だそうだ。「木村選手のような球体をつなぎ合わせてできたようなつまった身体を目指して、日々トレーニングに取り組んでいます」 「将来的には全日本クラスの大会で戦えるようになりたい」という高田さんの今シーズンはもう少し続くようだ。
「次戦は8月4日のJBBF京都選手権です。今回のマッスルゲートでは自分の納得いくポージングやフリーポーズが取れなかったので、残り1カ月程で修正して自分の納得いく形でシーズンを終えられたら嬉しいです。見にきた人を感動させられるようなポージングを取りたいです」
取材:あまのともこ