ゆったり観戦に対応 コロナ経てグループ客意識 船橋競馬場新スタンド公開、29日にオープン
大規模改修中の船橋競馬場(船橋市)で新スタンドが完成し、29日のオープンに先立って、25日にメディア向け内覧会で公開された。コロナ禍を経て、よりゆったり観戦できるよう、席と席の間に十分な空間を確保。べビールームを設置したほか、特別観覧席も増やし、グループや家族客の需要増に対応する。 完成した「スタンドB棟」は、鉄筋コンクリート5階建てで、延べ床面積5152平方メートル。席数は1060席。 築50年が経過した旧スタンドを東西に区切って改築していた。西側のA棟は2022年に先行オープン済み。A、B両棟の建物自体はつながっていて、両棟で計1791席。長椅子が中心だった旧スタンドの約1万席から数を絞って独立した席を増やし、席間の距離を確保した。
有料指定席は広くして、靴を脱いで足を伸ばせるボックスルームも設置した。コロナ禍で馬券のネット販売が伸び、現地観戦に訪れないファンも生じた一方で、家族連れや若者グループの来場は増えているといい、新たな需要に応える。 新スタンドは、学校と同程度の耐震機能で、貯水槽や発電機を備えており、約300人が3日間過ごせる避難施設としても活用できる。 船橋競馬場の改修刷新工事は、開場75年を迎える来年2月まで続き、入り口側を芝生広場にするなど「パーク化」を進める。施設を管理するよみうりランドの山田俊彦施設課長は「地域の方々が気軽に競馬場に来られるような、街との共生がテーマ。生まれ変わる船橋競馬場に期待してほしい」と展望した。