阪神・小幡竜平の反撃のろし適時打が「大きかったわなぁ」岡田監督絶賛! 17戦ぶり2度目スタメンでマルチ安打
(セ・リーグ、阪神5―4ヤクルト、5回戦、阪神3勝2敗、27日、甲子園)前夜からの流れで巡ってきた出番-。それでも阪神・小幡竜平内野手(23)は、球場へ到着する前から心と体を落ち着かせていたから、17試合ぶりのスタメン出場でいきなりの快音を響かせられた。貴重な反撃の一打から今季初マルチ安打だ。 【写真】適時打を放つ阪神・小幡竜平 「頑張り過ぎて空回りしないようにというのだけは(意識した)。緊張していましたけど。(坂本)誠志郎さんも粘ってつないでくれたし、つなぐ意識で入って結果的に点に絡んでよかった」 0-2の二回2死一、二塁で追い込まれながらもサイスニードの変化球に食らいつき、中前へと適時打を運んだ。逆転への流れを生み出す、3月31日の巨人戦(東京ドーム)でのソロ本塁打以来となる打点に、小幡を6日のヤクルト戦(神宮)以来となる今季2度目のスタメンに送り出した岡田監督も「最初のなあ、1点目が大きかったわなぁ」と目を細めた。 小幡にとっては、どうしても力が入り「頑張り過ぎ」てしまいそうな日だった。ここまで遊撃レギュラーを張ってきた木浪が、26日のヤクルト戦(甲子園)で今季初失策からまさかの3エラー。岡田監督は「木浪もあんまり調子よくないんで。打つ方もね。だから、ちょうどいい機会だなあという感じで」とすぐさま動き、前日も途中出場で安打を放っていた23歳に遊撃を託した。努めて冷静に、小幡は五回先頭でも中前打。近本の逆転2ランを呼び込み、今季初のマルチ安打で応えた。 〝一人の時間〟が、冷静になる手助けをしてくれている。これまでは森下や前川と一緒に車に乗り込み甲子園に向かっていた。だが、昨オフに選手寮の虎風荘を出たことで一人で球場入りするようになった。ワイワイと楽しい一面もあったが、「合わせる人がいなくなって、楽になった」と笑う。自分のタイミングで家を出る。ボーッと景色を見て、リラックスして運転する。球場に着くまでスタメンかどうかは分からない。だからこそ車中で、結果を残すために心と体を整えることが日課となってきた。 スタメン出場で刻んだインパクトを自信に、まだまだアピールを続けていく。「結果を出すだけだと思っているので、しっかり(レギュラーを)取れるように頑張ります」。試合が終わってもなお、小幡の眼は力強さに満ちていた。(中屋友那)