<解説>「虎に翼」轟役で赤丸急上昇 かりあげクンにもオードリー春日にもなれる男・戸塚純貴
◇いるだけ“おかしみ” 「何かが起きそう」と期待を持たせてくれる
“福田組の常連”以外では、小泉孝太郎さん主演の人気ドラマシリーズ「警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~」(テレビ東京系)の太田文平役としても知られる戸塚さん。面白いところでは、結婚情報誌「ゼクシィ」(リクルート)のCMで、花嫁の相手役を務めたことも。このときのCMガール(9代目)は、今をときめく吉岡里帆さんで、戸塚さんもタキシード姿で爽やかなイケメンぶりを披露している。
そんな戸塚さんは、2023年に植田まさしさんの人気4コママンガ「かりあげクン」が連続ドラマ(BS松竹東急)として初めて実写化されると、主演に抜てきされる。同作では、“かりあげクン”ことかりあげ正太の特徴的なかりあげヘアも「ミリ単位で調整して」役になりきった。
実写「かりあげクン」に続いて、ちょうど昨年の今ごろに放送されていたのが、お笑いコンビ「オードリー」の若林正恭さんと「南海キャンディーズ(南キャン)」の山里亮太さんの半生を描いたドラマ「だが、情熱はある」(日本テレビ系)。戸塚さんは“オードリー春日”役での出演で、当初は「不安しかなかった」というが、本人の特徴を見事につかみ、高橋海人さん扮する若林との“2008年の「M-1」敗者復活戦のズレ漫才”の再現も話題となった。
コメディー作品の印象が強く、実際、いるだけ“おかしみ”がある戸塚さん。そういった意味では、初の朝ドラ「虎に翼」で挑んでる轟は、まさにハマり役。一方で、笑わせるための誇張した演技はもちろん、基本的に無表情だったかりあげクンのときような“引き算”もできる懐の深さも魅力。
以前、かりあげクンと自身とを比べ、「僕もあまのじゃくな部分があって、人に『こうして』と言われたら、とりあえず一回違うことをしてみたりするようなすごくめんどくさい男なんです」と語っていたが、だからこそ「何かが起きそう」と期待を持たせてくれる戸塚さんの演技に、引き続き注目だ。