奈緒「部員は学年で私ひとり」漫画クラブに所属、小学生で「こんな人になりたい!」と憧れた存在
朝ドラ『半分、青い。』や、秋元康・企画の『あなたの番です』でブレイクし、現在では同世代の俳優の中でも、どんなジャンルの役柄でも演じてみせる確かな実力で引っ張りだこの奈緒。芸能生活のはじまりは高校時代。地元福岡で活動をしていたが、2015年、二十歳のときに上京した。今年すでに2本の映画が公開され、さらに2本の映画が控えている奈緒さんのTHE CHANGEとは――。【第1回/全4回】 ■【画像】初々しくて肌がキラキラ!20歳当時、上京直後の奈緒さん■ 鮮やかな赤い衣装の奈緒さん。リップとネイルは赤で揃え、足元には銀のヒールが覗く。はっきりした色使いだが、奈緒さんのふわりとした雰囲気に、美しい鳥が現れたかのよう。 現在、公開中の映画『告白 コンフェッション』は福本伸行のストーリー原作、かわぐちかいじの作画による原作コミックを実写化したサスペンス。コミックといえば、奈緒さんは子どもの頃、漫画家になるのが夢だったとか。 ――今でも漫画は好きですか? 「好きです」と即答の奈緒さん。 ――もともとの芸名も漫画のキャラクターが由来なんですよね。 「『フルーツバスケット』からです」 二十歳のときに単身上京した奈緒さん。その際の芸名は「本田なお」。その後、2017年に本名でもある現在の「奈緒」へと改名したが、もともとの「本田なお」にも当然、思い入れがある。「本田」は大好きな漫画の『フルーツバスケット』(高屋奈月/白泉社)のヒロインである本田透の苗字から取られた。同作は白泉社の『花とゆめ』に98年から06年まで連載された少女マンガで、01年、19年と二度のテレビアニメ化もされた人気作だ。
『フルーツバスケット』は「私にとっての教科書でした」
――今でも好きな作品ですか? 「もちろん。自分の中ですごく大事な、特別な作品です。最初に『フルーツバスケット』に出会ったとき、私は小学生でした。少女漫画なので恋愛要素があるのはもちろんですけど、漫画というひとつのエンターテインメントの中で、そのほかのことについても、いろいろな気持ちを教えてもらったんです。私にとっての教科書でした。主人公の透くんの価値観は、今まで自分が触れたことのないもので、“こんな人になりたい!”と思っていました。子どもだった自分にとっての理想の大人像でした」 ――はじめて憧れた大人だったんですかね。 「透くんも学生なんですけど、自分にとってはお姉さんだし、こんなふうに生きられる人になりたいと思いました。すごく懐が大きいんです。集団生活の中では、人と比べることって絶対に起きてしまうことだと思うのですが、『フルーツバスケット』を読んでいると、比べるということを手放してみたいと思えました」 ――人と比べることを手放す。 「一人でいても怖くない。一人でいる時間をすごく肯定してくれる作品だと、とても感じました」