香取慎吾が音楽と歩んだ日々 中居正広との再会、稲垣吾郎&草彅剛と7年越し音楽番組出演……約5年の歩み
音楽があるからこそつながれる人と楽しめる空間
■地上波テレビでの歌唱、そして久しぶりに“あの人”との再会も 2023年には、草彅の主演ドラマ『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)でも主題歌を担当し、「BETTING」を歌うことになる。すると、K-POPグループ・SEVENTEENとの新鮮なコラボも実現。さらに、その勢いは中居正広との共演へとつながっていく。香取の音楽活動を陰ながら見守っていたという中居とのトークもまた胸を熱くするものがあった。 その後もソロで『ベストヒット歌謡祭2023』(読売テレビ/日本テレビ系)への出演を果たし、さらには2024年は初めて稲垣、草彅とともに3人で音楽番組への出演も叶った。そこでは、上野樹里&和田唱夫妻による楽曲「眩しい未来」を草彅とのユニット“SingTuyo”として歌い、また新たな顔を披露することになる。 また、新しい取り組みとしては舞台『テラヤマキャバレー』で、香取が寺山修司を演じ、劇中で歌った「質問」の配信もあった。音楽プロデューサー・朝妻一郎が考えた「Keep Asking」=「一人ひとりが問い続けることの大切さ」を、テレビプロデューサーの黒木彰一が受け取り、3年ほどの時を経て香取が歌うことになったという。想いのリレーを託されるというのも、また香取の積み上げてきたものがあればこそ。 今すぐは叶わなくとも、続けていることでそのチャンスが巡ってくる。人はつい最短経路でないと不安になってしまうが、回り道をしても見たい光景までたどり着けるのだという辛抱強さを教えてくれるような動きだった。 ■音楽があるからこそつながれる人と楽しめる空間 直近ではGENERATIONSのライブにもスペシャルサポーターとして登場したことも多くのメディアに取り上げられた。ABEMAのバラエティ番組やCMでの共演を通じて縁を深めた香取とGENERATIONS。当日には香取が数原龍友を真似したメイクで登場し、会場の笑いを誘った。 草彅とのレギュラーラジオ『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)10月27日放送回では、「自分からそうしたいってなったんですけど、なんか面白いかなみたいな感じで」と、その時の心境を明かしていた香取。さらに「大爆発、大暴れしてきました。もう楽しくてね! そしたら、なんかいろんなテレビでもちょっと映ったりとか、いろんなところで“出たんですね”みたいになって。自分はちょっと遊びに行かせてもらおうと思って。だからちょっとおふざけしちゃってるわけ。それなのに……大丈夫だったかな」と苦笑いする場面も。 そんな香取の発言から、音楽活動をしているからこそできるエンタメがあるのだと再確認できた。異色のコラボや、世代を超えて同じ歌を熱唱できるのも、音楽があってこそ。メディアやサービスがどんどん変わっていく現代において、まだ誰もやってないけれど「こんなことができたらもっと楽しめるのではないか」と試行錯誤してきた結果が、この数年で成し遂げてきた挑戦の数々に思えてくるのだ。 同時に、香取にとって音楽は会いたい人に会うきっかけにもなっているように思える。ともに曲や映像を作り、ともに歌い、そして聴いてほしい人たちのところへ向かう。そこにはいろいろと乗り越えなければならないこともあるが、それをひとつずつ超えてきた自負もある。そんな今だからこそのファンク、そしてフェスという形なのではないだろうか。香取が今、誰と音楽を紡ぐのか。そして自ら開催するフェスで、どんな大暴れを見せてくれるのか。香取の仕掛けるまだ見ぬエンターテインメントを心から楽しみにしている。
佐藤結衣