「地下アイドルにハマって借金地獄」闇バイトに手を染める者まで現れて…《推し活》で人生が詰んだオタクたちの「悲惨すぎる裏側」
承認欲求が抑えられなくて
ではなぜ、彼らは多額の借金をしてでも、推し活を続けようとするのか。そこにはオタクならではの「心理」が背景にある。簑島弁護士が続ける。 「推し活では、おカネをたくさんつぎ込むことで、推しメンはもちろんのこと、周囲のオタクからも承認されるということは、よくある話です。そもそも推し活をするきっかけとして、学校や仕事、家庭や恋愛など背景に違いはあれど、何かしらの失敗や挫折があったというケースは多い。 そういった人の心の内に、『推しメンに良いところを見せたい』『他のオタクと自分は違うところをアピールしたい』という自己顕示や優越性の欲求があるように思えます。特にインターネットやSNSの影響で、承認欲求が抑えられない人も増えました。そうなると、本来あるべき自制心が効かず、金銭感覚もおかしくなってしまうのかもしれません」 地下アイドルの場合、特にそれが顕著だ。推しとの距離はとても近い。それでいて運営側の大部分は自転車操業で、収入が不安定であることから、ライブチケットやチェキ、グッズなどの単価を上げようとする傾向にある。そんな環境の行き着く先こそ、「自分だけが推しを支えてあげられる。そのためなら借金を重ねても構わない」という歪んだ心理なのかもしれない。 最後に、簑島弁護士はこう警告する。 「たしかに、推し活の現場というのはある種の熱狂がないと面白くないという事実もしてきできます。ただ、その熱狂のウラで、社会的に許されざることが行われているとしたら、それは無くしていかないといけない。 推し活をする時は一線を引いておくべき。犯罪はもちろんのこと、多額の借金をすることも、推しや運営に迷惑をかけることにつながるかもしれない、と考えることが肝要だと思います」 【こちらも読む】『「しまった、闇バイトだ…」《引っ越し手伝い》《事務作業》に応募したら「半グレ」が待っていた…普通の若者が「闇バイト強盗」で人を殺すまで』
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