追われたら次の場所へ…強制撤去だけでは変わらぬホームレスの人々の現実 支援者「“戻れない人達”が多い」
■縛られるのを嫌うホームレス「ずっとここにいたい」と話す人も
縛られることを嫌うホームレス。主にアルミ缶集めで収入を得ているという男性は、高架下のほうが缶を置く場所もあって都合がいいという。
男性が暮らすテントの本棚には漫画が並び、炊き出しに並ぶこともないという。
高架下に住む男性: 「ひどい時は缶が1キロ40円。(今は)だいたい平均したら170円くらい」 ウクライナ情勢や円安などの影響で日本国内のアルミの価格が高騰し、追い風になっているという。この日は、トラック1台分で4万円を手にしていた。
※空き缶の持ち去りを条例で禁じている自治体もあります。
高架下に住む男性: 「ここにずっとおりたい。働ける間は体動く間は頑張ろうと思っているから」
■始まった“強制撤去” 住んでいた男性は…
がんと闘いながら、路上生活を続けるカメイさんも、治療費がかかることや、通っている病院が近いことから、高架下から離れたくないといいます。
撤去期限まであと数日となった夜、支援する東岡さんが、名古屋市の職員らとカメイさんのテントを訪ね、呼びかけましたが返事はありませんでした。
東岡さん: 「アパート入れたいなぁと思っているんですけど…」
7月1日、カメイさんの荷物の撤去が始まった。毛布や、テントの土台にしていたとみられる木製のパレットなどが、トラックに載せられていった。 市の担当者は同意のもとで撤去していると言うが、そこにカメイさんの姿はなかった。
カメイさんの行方を捜すと、西に1キロほど離れた公園に引っ越していた。 カメイさん: 「病院には近いよ」 Q.アパートに入ろうとか思わなかったですか カメイさん: 「金払わないかんから大変だ。誰かが出してくれるなら入るよ」 追われたら、また次の場所へ。強制撤去だけでは現実は変わらない。
東岡さん: 「人間関係とか親子関係とか、家庭が破壊されている人たちが多くって。そこに戻れない人たちって、もっと大きな社会問題じゃないかなって」 ホームレス問題を解決する糸口は、まだ見つかっていない。 2024年7月10日放送