2025年指し初め式 羽生会長「社会に還元できるような将棋界を目指す」
将棋界の新春恒例行事「指し初め式」が6日、東京・渋谷区の新将棋会館で行われ、日本将棋連盟会長・羽生善治九段、伊藤匠叡王らが出席した。 年始に一年の幸福や健闘を祈念し、一局の将棋を棋士や関係者らが一手ずつ指し継いでいく伝統行事。式に先立ち、鳩森八幡神社で「将棋堂祈願祭」も行われた。 羽生会長は日本将棋連盟創立100年の節目の昨年を振り返り「昨年ほど本当に日本将棋界はたくさんのみなさんに支えられて続いているんだ、と実感した1年はありませんでした」と感謝。同じ千駄ヶ谷に将棋会館が移転し「この地に来て、半世紀以上の日が経っております。これから先も様々な形でお世話になるかと思いますが、宜しくお願いいたします」とあいさつした。今年は「新たなスタート」とした上で「多くの皆さんにこれからも喜んでもらえるような、社会に還元できるような将棋界を目指してまた新たな気持ちで臨んでいきたいと思っております」と意気込んだ。 その後、新将棋会館の特別対局室で行われた指し初め式には、クラウドファンディングをした8名も参加。普段の緊張感に満ちた対局室とは一転、伊藤叡王が先手・後手を決める振り駒をするなど、笑顔と笑い声が広がった。棋士側が上座、関係者側が下座で一手ずつ指し継いでいく。王手をする前に終えるのが慣例となっている。(中西 珠友)
報知新聞社