ロッテ・小島和哉、1カ月ぶり完投5勝 土砂降りマリンで美爆音に乗って」「習志野の皆さんのおかげ」
ロッテは28日、オリックス8回戦(ZOZOマリン)に4―3の七回裏2死降雨コールドゲームで勝ち、3連勝。大雨が降る中、小島和哉投手(27)が7回を4安打3失点の完投で5勝目をマークした。今季は開幕投手を務めながら直近3試合で0勝3敗、防御率15・23と打ち込まれていた左腕が、約1カ月ぶりに白星を挙げた。 【写真】土砂降りのなか、カッパを着た習志野高吹奏楽部が雨の中でも元気よく球場を盛り上げた 瞳には光るものがあった。試合開始前から降りしきる大粒の雨をものともせず、小島が懸命に左腕を振った。5月28日のヤクルト戦以来1カ月ぶりの白星。潤んだ目をこすり、安堵(あんど)の表情を浮かべた。 「投げるのがすごく怖かった。チャンスをもらい、頑張らなければという気持ちがあった。少しホッとしています」 ぬかるんだマウンドで7回を投げて4安打3失点。「力まず、丁寧にという意識がいつも以上に出た。(雨の中で)一番大事なのは制球。その部分でもう一回原点に立ち返った」。序盤は失点を許したが、四回以降は低めに制球して一人の走者も出さなかった。 苦しい1カ月だった。6月4日の巨人戦は自己ワーストの2回11失点、11日のDeNA戦は7回4失点、前回21日のソフトバンク戦は4回7失点と投げれば打ち込まれる日々。2軍での再調整も頭によぎったが、首脳陣から「小島なら」と復活を期待されて中6日で再びマウンドを託された。不安に駆られながらも前を向いた。 現状を打破すべく、これまでの登板前のルーティンはすべて捨てた。アナリストやトレーナーと相談し、データをもとに走り込みの量を減らすなど別の調整法を模索。「もう一回やり直すしかないなと。心配もありました」。もがいた末の勝利だったからこそ喜びもひとしおだった。 この日は高校野球の応援で「美爆音」として知られる千葉・習志野高の吹奏楽部が来場。応援演奏は2018年から6度目で、今回が初白星となった。「習志野高校野球部の一員になれた感じで、今日の勝ちは習志野の皆さんのおかげだと思う。新鮮な気持ちで野球ができたので感謝しかない」と小島。埼玉・浦和学院高時代に春の甲子園で優勝した当時のがむしゃらな気持ちも再確認。ド迫力の演奏でパワーをもらい、不安は吹っ切れた。(森祥太郎)