食品・化粧品素材の太陽化学、コロナ禍でも伸びる製品戦略
太陽化学は健康食品や化粧品の素材メーカーとして存在感を放つ企業だ(イメージ写真:shironagasukujira /PIXTA)
東洋経済が中小型の成長期待企業500社を独自に選定した「東洋経済グロース500」の1つ、健康食品・化粧品素材の強豪メーカーである太陽化学(2902)が11月8日、今2022年3月期第2四半期決算(2021年4~9月)業績を発表。コロナ影響が一巡し、2期ぶりに最高純益更新、大幅増配を見込む会社計画は、さらなる上振れ着地が濃厚と見込む要因を探っていく。 9月配信の記事「 食品・化粧品素材の太陽化学、『業績絶好調』が続く背景 」では第1四半期決算を分析したが、今回は、好調な業績推移を牽引する海外でコロナ禍におけるニーズを捉え、売れ筋となっている製品カテゴリーを紹介する。 まず、今2022年3月期第2四半期(上期)実績は、売上高209億7700万円(前年同期比7.2%増)、営業利益28億7500万円(同9.1%増)、純利益21億6400万円(同10.6%増)。好発進だった第1四半期業績を発表した8月10日に第2四半期累計期間の期初計画を増額したが、その数値よりも売上高4億7700万円、営業利益7500万円、純利益6400万円ずつ上乗せした水準で着地した。 しかし、会社側は、8月10日に通期計画を一転微増益へと上方修正し、売上高400億円(前期比2.0%増)、営業利益51億円(同0.5%増)としていたが、そこには上乗せしなかった。下期に当たる2021年10月~2022年3月までの6カ月間は、上期より売上高、営業利益が少なく推移する見立てとなっている。 その理由については、「下期以降、原料高騰などの影響が少なからずあると予想している」(財務部)という。確かに、3つの事業セグメントで最も採算性で劣る「ナチュラルイングリディエント事業」(乳製品や飲料、菓子、ハム・ソーセージ業界向けに食品用素材や安定剤などを製造販売)は、第2四半期累計のセグメント営業利益が前年同期比34.0%減の3億7700万円と低調だった。
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古庄 英一