自家発電機が「地絡」、電力供給遮断 八戸市民病院(青森県)停電 昨夏も発生
青森県八戸市の八戸市立市民病院は3日、東奥日報の取材に対し、11月28日の全館停電について、自家発電機4基のうち2号機に不具合が発生、地面に電流が流れる「地絡」が起きていたことを明らかにした。昨年8月17日の全館停電時も、自家発電機の1号機に地絡が起きていた。いずれも地絡を検出した電源システムが、東北電力と自家発電機からの電力供給を遮断、全館停電となった。 自家発電機のうち1~3号機は、病院が現在地に新築移転した1997年に設置。2011年度に4号機が増設された。いずれも重油で稼働、管理は、契約を結んでいる県外の自家発電機メーカーが担っている。同病院は、自家発電機を非常用ではなく日常的に使い、東北電力からの電力と2系統で運用している。 電源システムは自家発電機で地絡が発生した場合、東北電力側に影響が出ないよう、瞬時に供給を停止するという。昨夏の停電時には1号機を修理し、使用を再開。その後は4基いずれにも不具合は起きていなかった。同病院はメーカーに対し、2号機に地絡が発生した原因の調査を指示している。 28日に予定されていた16人の手術は、不測の事態を想定して延期された。13人が一度退院。このうち8人は12月中に手術する方向となり、その他の患者については現在、手術の日程を調整中という。 3日の市議会建設企業協議会の冒頭、市民病院の保坂高弘事務局長は「ご迷惑とご心配をおかけし、大変申し訳ありませんでした」と陳謝。田中秀幸物流施設課長は「重く受け止め、早急に対応できる部分と中長期的に対応が必要な部分を早急に整理し、できる限り早く対応したい」と話した。議員からは「圏域で重要な病院。管理体制まで徹底して調べ、二度とないように」などの意見が出た。