<ハッピー・オブ・ジ・エンド>重要シーンの撮影現場をレポート 沢村玲「大変な分、やりがいを感じて楽しい」
沢村玲と別府由来がW主演を務める「ハッピー・オブ・ジ・エンド」(毎週月曜深夜2:55-3:55[2話ずつ放送]/フジテレビ、FODにて毎週月曜[2話ずつ]独占配信、放送終了後TVerにて1週間見逃し配信)の第5話と第6話が、9月16日(月)に放送される。それに先がけて、撮影現場の様子をレポートする。 【写真】別府由来、ノンアルビールを片手に笑顔を見せる ■沢村玲&別府由来のラブストーリー「ハッピー・オブ・ジ・エンド」 本作は、累計発行部数31万部、BLアワード2022ディープ部門第1位に輝いたおげれつたなかの大ヒットBL漫画を、「彼のいる生活」の沢村と「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の別府のW主演で実写ドラマ化。愛に飢えた2人が出会い、不器用ながらもた束の間の平穏を手に入れ、お互いの過去や心の傷を深い愛で満たしていく姿を描くセンセーショナル・ラブストーリー。 ゲイであることを理由に家族から拒絶され、全てを失った人生どん底の千紘(別府)は、ある晩、行きつけのバーでミステリアスな美青年・ケイト(沢村)と出会う。一見クールなケイトだが、彼は壮絶な生い立ちからトラウマを抱えていた。 成り行きで始まった千紘とケイト/浩然(ハオレン)の共同生活は衝突やすれ違いもあったが、穏やかな日常を送るうちに互いに深い愛情で結ばれるようになる。だが、そんな幸せな日々もケイトの過去の因縁によって崩れてしまう。執着や嫉妬、罪悪感など複雑な感情が入り混じる2人の関係が描かれる。 ■別府由来、人懐っこさで現場を明るく レポートするのは、第6話と最終話(第8話)に登場する中華料理店でのワンシーン。浩然と千紘の関係が変化するきっかけになる重要な場面でもある。6月末の梅雨の晴れ間、30度を超える暑さの中で撮影は行われた。 機材が搬入された中華料理店では、千紘役の別府と加治役の久保田悠来、マツキ役の山中聡が現場に入ると早速シーンの段取り(リハーサル)が始まった。まず初めに撮影されたのは、千紘と加治が店内奥のテーブルで近況を話しているところにマツキがやって来るシーン。 演技のほか、カメラの位置や照明の明るさ、音響などを入念にチェックしていく。別府と久保田のすぐ隣で演技を見守っているのが、古厩智之監督。「ホームレス中学生」「武士道シックスティーン」など数多くの青春映画を手掛け、演出にも定評のある監督だ。 段取りが終わり、ヘアメイクが2人の髪型や服装を直している間、円卓には麻婆豆腐やピータンなど、ラップのかかった料理が次々と運ばれてきた。豆苗炒めが出てくると、別府がすかさず「あ、美味いやつだ!」と顔をほころばせる。 久保田が「好きなの?」と聞くと「はい、豆苗好きです!」と別府。さらに、テーブルに置かれたビール瓶を見て「これガチ(本物の)ビールっすか?」「ノンアルです(笑)」とスタッフとやり取りする一幕もあり、別府の明るく人懐こい人柄が現場の空気を柔らかくしていた。 本番前のテストでは、店の外で待機していたマツキ役の山中も加わる。マツキは浩然と千紘を何かと助けてくれる“親切な大人”だが、仕事や私生活は謎に包まれており、常に明るく捉えどころのないキャラクターでもある。 演じるにあたり、山中は古厩監督から「さみしさを出して欲しい」と言われたそう。SMクラブで働く浩然を親身に心配する一方で、人知れぬ「さみしさ」も持っている。「この人物の奥行を出すには、派手に演じた方がいい」と考え、マツキの持つ二面性を大切に演じたとのこと。「(演技の)正解はわからない」と言いつつ、本番中にアドリブを加えるなど、役を憑依させた鮮烈な演技で現場を魅了していた。 ■自然体な演技を引き出しながら撮影 本番の撮影では、シーンが終わった後も長めにカメラを回し続けていたのが印象的で、役者の自然体な演技を引き出すのが得意な古厩監督らしさが伺えた。その後、カメラの位置を変えて何パターンか撮影し、1つ目のシーンが終了。 ここでクランクアップを迎えた山中に花束が贈られ、スタッフやキャストへ向けて「とても楽しく勉強させていただいた現場でした。ありがとうございました。完成をとても楽しみにしています!」とあいさつし、拍手を受けた。 その後、浩然役の沢村玲が現場入りし、第6話のシーンを撮影。浩然、千紘、加治の3人が集まって中華料理を食べる中、浩然が唐突に“ある発言”をして場を驚かせる場面だ。 時系列としては先ほどのシーンよりも前になるため、別府は髪を下ろし、久保田は髭を剃った姿で登場。リハーサルでは、沢村にヤーチャオ(アヒルの足)を「ガツガツではなく、大切に食べる感じで」や、最後の久保田のセリフを「もっと元気よく」などと詳細な指示が入った。 ■沢村玲「大変な分、やりがいを感じて楽しい」 沢村はドラマ初主演にして、幼少期に母親に捨てられ壮絶な人生を送ってきた難役に挑戦。役作りでは苦悩も多かった様子で、「浩然は無表情に見えて、心の中は複雑に動いているキャラクターです。単純に笑ったり泣いたりするのではなく、その感情の裏にある怒りや悲しみなどの複雑な想いも表現しなければならない」と語った。 撮影以外の時間も常に浩然が何を考えているのか探っていたとのことだが、「大変な分、やりがいを感じて楽しいです」と充実感をにじませ、「浩然の人間としての魅力を多くの人に楽しんで頂けるよう、役を全うすることに全力を注ぎたいと思います!」と意気込みを語った。 また、別府とは常に相談しながら撮影に臨んでいるとのことで、「どうしたら作品の世界観を上手く表現できるか話し合っていて、お互いに高め合える存在だと思います」と共演の印象を振り返った。 ■別府由来「先輩たちの存在が僕の演技を引き上げてもらっている」 別府は、古厩監督から「感情的な演技は1テイク目が一番良い」と言われ、テストでは実力の2割の演技をするようにアドバイスを受けたことを明かした。「同じシーンでも2テイク目、3テイク目になると(クオリティが)落ちていたようなんです」と自身を分析し、「今後はテイクの回数を重ねても同等かそれ以上の熱量で演技ができるようにするのが課題です」と熱く語った。 唯一、浩然にトラウマを植え付けた犯罪者・マヤを演じた浅利陽介とのシーンは印象に残ったようで、「久保田さんもそうですけど、先輩たちの存在が若手である僕の演技を引き上げてもらっていると感じます」とコメント。ちなみに撮影初日は山中とのシーンで、「山中さんの強烈なお芝居を見てこんなに自由に演じて良いんだと学び、緊張がほどけました」と笑顔を見せた。