投資はいつから始めて、いつ終わればよいかわかりません。短期的なチャートでは判断が難しいので、中長期的な投資テクニックはありませんか?
投資を始めるに当たり、今から始めてもよいものか、また、終わらせるタイミングをどのように考えればよいか……という質問を受けることがあります。 要は、「自分で投資判断を見極めたい」ということです。とはいえ投資は自己責任ですので、ある程度の知識と技術を身につけながら経験していく必要はあるでしょう。 本記事では2024年6月の日経平均株価を例に、解説していきます。
日足でわからないときは週足でシナリオを描く
ここで、日足と週足の違いに軽く触れておきましょう。通常、私たちが見るチャートは日足で、日足チャートは1日の値動きが描かれたものです。これに対し、週足チャートは1週間の値動きが描かれています。 日足チャートは1日の値動きを基準にしているため、おおむね短期(例えば2週間程度先まで)のシナリオを描く際に用います。 一方、週足チャートは1週間の値動きを見るためのものですので、中長期(例えば3ヶ月や半年、1年先まで)のシナリオを描く際に用います。前述したように、短期目線で相場の方向感が定まらないときは、目線を週足に切り替えます。
週足チャートで分析する
下のチャートでは、日経平均株価指数の週足チャートが、1988年の途中から表示されています。1989年の年末に着けたバブル最高値を今年の2月に抜け、3月に着けた天井から調整局面(ここでは下落局面のこと)に入っていることがわかります。 結論をいってしまうと、「一見長期的には上目線である(まだまだ上昇する)可能性が高いものの、短期的には下げる可能性が高いだろう」と見立てていきます。 その根拠はカップ・ウィズ・ハンドル(Cup With Handle)という波形です。これは、波の形をカップと取っ手(ハンドル)に見立て、相場の方向感を探るために用いられるテクニカル分析の手法です。 下のチャートではわかりやすくするために、カップ・ウィズ・ハンドルの「カップ」部分を黄色のおわんのような形で示しました。「ハンドル(取っ手)」部分は現在形成中で、まだできあがっていませんが、今年の3月の天井を起点にした調整局面が終わり、反転上昇していくまでの相場形成過程になります。