チョッパーの「ヒトヒトの実」のモデルって? 「雪男説」を超える仮説があった
連載初期から20年以上語られていない謎
『ONE PIECE(ワンピース)』には、さまざまな能力を秘めた「悪魔の実」が登場し、その種類も細分化されています。例えばルフィが食べた「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル:ニカ」や、ルッチが食べた「ネコネコの実 モデル:豹(レオパルド)」といった具合です。ところが「トニートニー・チョッパー」が食べた「ヒトヒトの実」は初登場から20年を経てもモデルが明らかにされていません。 【画像】目玉が落ちてきそう… これがチョッパーの衝撃的な「エネル顔」です 一体、チョッパーが食べた悪魔の実の正体は何なのでしょうか? ●動物系「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル:雪男」説 かねてからネット上ではチョッパーが食べた「ヒトヒトの実」のモデルが考察されており、「ヒトヒトの実 モデル雪男」などが有力視されています。彼の初登場が雪国だったことや、ゴリラのように二足歩行する人間形態がその根拠です。 しかしチョッパーの能力といえば、なんといっても七段変身です。動物(ゾオン)系の悪魔の実の能力者は三段変身しかできませんが、チョッパーはランブルボールという丸薬を服用することで頭脳や腕力などに特化した体型に変身しながら戦います。悪魔の実の能力者は多いですが、薬の服用を前提としているのはチョッパーだけなので、ここにヒントがありそうです。 ●チョッパーのヒトヒトの実がキノコ型だった理由 悪魔の実の外見はその能力を反映しているケースが多いです。ルッチが食べた「ネコネコの実 モデル:豹」はヒョウ柄で、チョッパーの食べたヒトヒトの実は赤いカサのキノコのような形をしていました。 赤いカサのキノコといえば、毒キノコとして有名な「ベニテングタケ」でしょう。ベニテングタケには毒性だけでなく、精神を高揚させたり変性意識に入りやすくしたりする薬効があります。ベニテングダケを食べたバイキングの戦士が狂戦士(ベルセルク)として暴れまわったという説が知られており、マンガ『ヴィンランド・サガ』(講談社)にはキノコを食べて興奮状態になるバイキングの戦士「ビョルン」が登場しました。またトナカイにベニテングダケを食べさせて毒性を中和し、その尿を飲んでトリップしたという説もあります。 ●ベニテングダケから万能薬の神へ 注目したいのはベニテングダケが特殊な精神状態を作る薬として使われていた、という点です。ゾロアスター教の神酒「ハオマ」や、ヒンドゥー教の聖典「ヴェーダ」に登場する神酒「ソーマ」の原料がベニテングダケではないかと言われています。 ヒンドゥー教では神酒ソーマが人間と神に活力を与える万能薬として神格化されて、月の神ソーマとされました。ベニテングダケと薬には深い関係があるようです。 ●動物系「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル:ソーマ」説 そこで考えられるのがチョッパーの食べたヒトヒトの実が、ルフィのように神をモデルとしたものだったという仮説です。チョッパーが口にしたヒトヒトの実がソーマ神をモデルとしたものだったら、覚醒に至ったときに何らかの強力な治療効果や薬効を発揮する可能性があります。 もしかしたら、かつてチョッパーや「Dr.ヒルルク」が求めながらも存在しないとされた万能薬を作れるようになるかもしれません。チョッパーが覚醒に至ったとき、真実が明らかになるのでしょうか。
レトロ@長谷部 耕平