日本を呑み込んだイラン黄金世代の“執念” 違った大会に懸ける思い「イランの何人かにとってはラストダンス」
この世代でのアジア制覇は悲願
アジアカップ2023準々決勝で優勝候補No.1との声もあった日本代表を撃破し、勢いに乗るイラン代表。 日本のファンからは、イランの選手たちの方が大会に懸ける思いが強かったのではとの声も挙がっていたが、それは事実かもしれない。 若い選手が多い森保ジャパンに対し、イラン代表の主力組は経験豊富なベテランたちで構成されている。アジアカップ出場は今回が最後と覚悟している選手もいるはずで、絶対負けられないとの思いが強いのかもしれない。 チームを指揮するアミール・ガレノイーは、日本を撃破したこのチャンスを活かさなければと優勝へ気を引き締める。今のイランはFWサルダル・アズムン(29)やメフディ・タレミ(31)ら黄金世代と呼ばれてきた世代であり、この世代でアジアのタイトルを獲得するのはイランにとって悲願でもある。 「我々が得たチャンスを活かさないとね。今の代表選手たちの何人かにとっては、これが何かを達成するための最後のチャンス、ラストダンスになるかもしれない。イランサッカー界とイラン国民にとって歴史を作る非常に良いチャンスであり、そのチャンスを活かさなければならない。(準決勝で)カタールを破って決勝に進むために全力を尽くすつもりだ」 『ESPN』も今回のイラン代表について、「イランは大会で最も経験豊富なチームの1つだ。メンバー26人のうち11人が代表キャップ数50を超えており、代表キャップ数が10キャップ以下はわずか4人しかいない」と経験値の重みにスポットを当てている。 こうした短期決戦では、テクニックや戦術以上に選手たちのメンタリティや経験値が勝敗を分けることもある。前評判では日本の方が豪華との印象だったが、今大会に懸ける思いではイランが上だったか。
構成/ザ・ワールド編集部