<アグレッシブ・’21センバツ東海大甲府>第3部 選手紹介/1 /山梨
19日に開幕する第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)に出場する東海大甲府。大舞台での活躍を誓い、日々練習に汗を流す選手たちの横顔を紹介する。【金子昇太】 ◇昼食も惜しんで練習 若山恵斗投手(2年) 1年秋から公式戦に出場する東海大甲府のエース左腕。昨年の秋季大会は8試合中6試合に登板し、最速139キロの直球に変化球を織り交ぜる緩急をつけた投球で強豪打線を抑えてきた。 自他共に認める負けず嫌いだ。打者が直球に狙いを定めていても真っ向勝負を辞さない。練習では昼食を食べる時間を惜しんでボールを投げ込み、就寝前も「今日は満足のいく練習ができたか」と自問自答、心残りがあれば自室で筋力トレーニングを始めることもある。 村中秀人監督はその真摯(しんし)な姿勢と精神面の強さを評価する。甲子園への意気込みを聞かれると、「強豪校と戦えるのが楽しみ。ワクワクしている」と屈託なく笑った。 ◇気配りで部員励ます 三浦諒太主将(2年) 「主将になって甲子園に出場します」。入学直後にあった野球部の歓迎会で宣言したことを今回のセンバツで実現させた。 大切にするのは気配り。寮では他の人たちの靴やスリッパを並べ、自室以外のごみも拾う。元をたどれば、会社を経営する家族や親戚の接客態度などから学んだ。気配りは練習でも生かされ、結果が出ず表情が暗い部員がいれば、マネジャーを介して積極的に声を掛けている。 秋季大会後、「スイングの軌道やタイミングの取り方を見て配球を組み立てられるようになった」と捕手としても手応えを感じている。新型コロナで甲子園を諦めざるを得なかった3年生のためにも「一つでも多く勝って恩返しをしたい」。=つづく