興収100億突破 『名探偵コナン』最新作は“昔のファンも楽しめる” 監督が語るヒット作の裏側
劇場版『名探偵コナン』シリーズで興行収入が初の100億円を突破した、劇場版『名探偵コナン 黒鉄(くろがね)の魚影(サブマリン)』(全国東宝系にて公開中)。映画配給会社によると、公開から38日間で、観客動員827万人、興行収入117.3億円を突破しました。今作で監督を務めた立川譲さんにインタビューし、制作の裏側などを伺いました。 【画像】劇場版『名探偵コナン』 4年ぶりの応援上映
■灰原哀&黒ずくめの組織にフォーカス “昔のファンも楽しめる”
1997年の第1作『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』以降、ほぼ毎年公開されている劇場版(2020年はコロナの影響により延期)。26作目となるシリーズ最新作『名探偵コナン 黒鉄(くろがね)の魚影(サブマリン)』は、東京・八丈島近海に建設された、世界中の警察が持つ防犯カメラを繋ぐための海洋施設パシフィック・ブイを舞台に、江戸川コナン&灰原哀と、宿敵・黒ずくめの組織の海上決戦が描かれます。 ――制作にあたり、立川監督ならではの戦略は? 元々、コナンの王道の作品という脚本内容で、かつ、キャラクターも人気キャラがたくさん出てくる総力戦になっていたので、ちゃんとキャラクターの見せ場や行動原理、過去の背景みたいなものを描きながらうまくまとめていけば、映画としてはすごく満足してもらえるものになるかなっていうのはありました。キャラクターはそこに生きて、そこにいるような感じで動くようにっていうのを、すごく注意してやっていました。
――映画の感想で、狙い通りだったなと思ったことは? コナンってすごく長寿作品なんで、久しぶりに劇場に来たみたいなお客さんも結構いらっしゃるみたいで。今回の劇場が面白いと、来年見に行こうってなったり、過去のやつちょっと見てみようってなったり、ほかの映画も見てもらえたりすると思うんで、そういうのがすごくうれしいです。作っている最中も、制作スタッフとかと、“昔のファンも楽しんでもらえるかも”みたいなのもあって、そういう意味ではそれが狙い通りになったっていうことなんですかね。 ――昔のファンも楽しめるような仕込みというのは? 灰原ってすごく初期からのキャラクターで、灰原にフォーカスを当てるのが、(シリーズ5作目の)『天国へのカウントダウン』以来になるので。すごく人気のあるキャラクターだし、灰原がメインでフォーカスされるんだったら見たいなっていうお客さんもいるのかなっていうのと、黒ずくめの組織の映画もすごく久しぶりで、『天国へのカウントダウン』と『漆黒の追跡者(チェイサー)』(13作目)、あとは『純黒の悪夢(ナイトメア)』(20作目)。結構(間隔が)空いているんですよね。組織の映画だと見に来る固定ファンみたいなお客さんも多分いて、やっぱり気になっているファンも多いと思うんですよね。そういう意味では広くファンに訴求しやすい内容かなっていうのも元々ありましたね。