剣幸・小林タカ鹿が俳句極めんとする男女に、西史夏の新作「ナイト・ウィズ・キャバレット」
「ナイト・ウィズ・キャバレット」が来年2月13日から23日まで東京・シアターグリーン BOX in BOX THEATERで上演される。 【画像】小林タカ鹿(他4件) 本公演は、今年で芸能生活50周年を迎えた剣幸と、小林タカ鹿が出演する二人芝居。第2回せんだい短編戯曲賞の大賞を受賞した西史夏による10年以上ぶりの新作を、あやめ十八番の堀越涼による演出で立ち上げる。劇中では、大正14年から昭和16年にかけて、東京のホテルの一室で繰り広げられる、俳句を極めんとする男女の生き様や、時代の流れが、キャバレー音楽を絡めて描かれる。 剣は「ひとりでもなく大勢でもない、ふたりだけの芝居……お互いの人間性や考え方が交錯する、スリリングで密度の濃い舞台となるに違いありません」「アベレージが高いタカ鹿さん!!と、出自の違うワタシがタッグを組ませていただくことに、今、とてもワクワクドキドキしています」と心境を述べた。 チケットの一般販売は12月21日に開始される。出演者、クリエイターのコメントは以下の通り。 ■ 剣幸コメント ひとりでもなく大勢でもない、ふたりだけの芝居……お互いの人間性や考え方が交錯する、 スリリングで密度の濃い舞台となるに違いありません。 海外作品の軽妙洒脱な二人芝居とはまたひと味違って、“言葉”で表す独特な俳句の世界を、 当時の世相を反映させながら描くこの作品は、不思議な魅力を放ちます。 17文字ですべてを表現できる俳人の才と、我々が生きる日常の融合を表現できたらと思います。 小林タカ鹿さんとは、初めてご一緒させていただきます。アベレージが高いタカ鹿さん!!と、出自の違うワタシがタッグを組ませていただくことに、今、とてもワクワクドキドキしています。 ■ 小林タカ鹿コメント 剣さんの芸能生活50周年の舞台。しかも濃密な二人芝居ということで、身の引き締まる思いですが、精一杯、演じることを楽しみたいと思っております。 芝居での人との出逢いって、いつも不思議なご縁ですが、こういう形で剣さんとご一緒する機会を与えてもらうというのも、学生演劇、小劇場から演劇を始めた僕にとっては、驚きと感慨がありました。 お客様におきましては、作品の洒脱で甘美な大正ロマンの雰囲気と、揺れ動く価値観の大波に翻弄される俳人たちのロマンスに、どっぷり浸って楽しんでいただけますように。 ■ 西史夏コメント 10年程前、私は音楽ホールに勤務していた。その頃、美術館とのコラボレーションで20世紀初頭のパリで演奏されていたキャバレー音楽のコンサートを担当した。退廃的で優美な世界に魅了された私は、舞台を大正時代の浅草に移し、男女の二人芝居を執筆した。それが本作である。 幸いにも「せんだい短編戯曲賞2014」で大賞を獲ったが、骨の折れる内容故か舞台化のチャンスは無かった。それがこうして人の目にとまり、これ以上ない素晴らしいキャスト、スタッフを得て上演されるのは、作者にとってこの上も無い喜びである。 人生を変えるような恋愛の主人公である二人は、共に俳人でもある。 言葉を尽くし、歌い、語り、対立し、愛し合うこの劇を演じるのは、心身ともに相当の覚悟と体力が必要だろう。 だが、主演の剣幸さん、小林タカ鹿さんなら、体現してくれるに違いない。加えて、演出は日本の古典芸能に通じたあやめ十八番の堀越涼さんである。 私の手を離れた作品を、どのような世界に導いてくれるのか楽しみで仕方ない。 ■ 堀越涼コメント 全ての物語は、あいうえおの羅列である。文字を組み合わせ、織り上げることで、一つの大きな文様を成し、物語となる。僅か十七文字の俳句は、その細やかさに反して宇宙と同じだけの広がりを持つ、日本で一番短い物語の一つだ。俳句の持つ音感は、私たちの血に染み込んでいて、美しさと心地よさを同時に与えてくれる。本作「ナイト・ウィズ・キャバレット」は、そんな俳句を物語の主に据えた、二人芝居戯曲の傑作である。 本公演は、剣幸さんの芸能生活五十周年という記念すべき公演であり、同時に「ナイト・ウィズ・キャバレット」初の舞台上演となる。一筋縄ではいかないこの戯曲に挑むのは、剣幸さん、小林タカ鹿さんの二人の名優。スタッフ陣も万全の態勢で、これに挑む。俳優の良さ、戯曲の良さを前面に押し出した舞台となるだろう。一人でも多くのお客様に、この美しく切ない物語を体験して頂きたい。 ■ ナイト・ウィズ・キャバレット 2025年2月13日(木)~2025年2月23日(日・祝) 東京都 シアターグリーン BOX in BOX THEATER □ スタッフ 脚本:西史夏 演出:堀越涼 □ 出演 剣幸 / 小林タカ鹿