Z世代の私がイギリスで各国の人と見た「極悪女王」なんとも破天荒でめちゃくちゃで涙が出てしまうくらいまばゆかった
弱さも強さも全てひっくるめて輝く彼女たち
昭和のカルチャーっていうのは、はちゃめちゃでスリリングで面白い。けど、またその時代に戻ってほしいかと聞かれたら、絶対NO。暴力NO!セクハラNO!コンプラ第一!のZ世代なので、〝ぬるい〟と言われようと自分の心を守る。当時はこのような考え方が無かったから、女性たちは自分を守るために強くなるしかなかった。「強くならなきゃ」と何度も口にする彼女たち。でも、どれだけ身体的に強くなっても、弱さを抱えたまま、弱いまま強くあろうとする。その姿が、彼女たちも等身大の女の子だと感じさせる。 昔も今も、みんな弱いから強くなりたいと願い、弱いまま強くあろうとする。暴力的なものが苦手で食わず嫌いしていたプロレスだけれど、私はこの作品を通してプロレスの魅力にハマってしまった。弱さも強さも全てひっくるめて輝く彼女たちに、何年たってもスターでいてほしいと願う。あの時の激動を、輝きを現代によみがえらせた「極悪女王」。あの時代を懐かしく思うあなたも、私のように逆に新鮮に思うあなたも、彼女たちの熱量にきっと心揺さぶられるだろう。
ライター 青山波月