【阪神】頼れる助っ人が志願の続投で来日初完投!学生時代レスリングに打ち込んだ経験生かし打者を圧倒
◆日本生命セ・パ交流戦 阪神4―1西武(8日・甲子園) 最後まで獅子打線を眠らせたままにした。阪神のジェレミー・ビーズリー投手(28)が4安打1失点で来日初完投。助っ人による甲子園で完投は2019年5月4日DeNA戦のメッセンジャー以来、実に5年ぶりだ。無傷の3勝目に「制球よく投げられた」と胸を張った。 8回1死一、二塁の第4打席。降板を考えていた岡田監督に直訴した。「完封したいです」。志願の9回は1死二、三塁から二ゴロの間に1点を失ったが、来日最多119球で投げ切った。指揮官は「ビーズリーに尽きる」と称賛。チームは5カードぶりの勝ち越しで、交流戦最下位脱出だ。 学生時代、レスリングに打ち込んだ経験が生きている。競技は違えど、1対1の勝負を繰り返すのは対打者と同じだ。わずかな表情の変化でさえ隙を生むマット上。ピンチを迎えた時は、かつての“レスラー”になり切る。「どうやって倒してやろうか」。目の前の敵をじっくり観察し分析。マウンド上でも着実に“ポイント”を積み重ねる。今季は対右打者に被安打1と無双。規定投球回未達ながら、26回1失点で防御率0・69と圧巻の投球を見せている。 来日1年目に中継ぎから先発に転向し、2年目に先発として覚醒。球団の歴代助っ人では最長の10年間在籍したメッセンジャーと同じ道を進む。通算98勝を挙げた先輩右腕に「僕も長く日本で野球をやりたい」と羨望のまなざしを向ける。豚骨ラーメン好きも虎の大先輩と同じだ。「メッセンジャー2世」の“襲名権”を得た右腕。飛躍の日々に終わりは見えない。(直川 響)
報知新聞社