海外通販サイトでブランドバッグを買いましたがニセモノでした。返金の連絡をしても音信不通… 返金してもらえるのでしょうか?
インターネットの普及に伴い、海外通販サイトで偽ブランド品を購入してしまう人が増えています。そのため、国も法律を改正して税関での水際対策を強化していますが、商品が没収されるだけで代金の返金問題の解決にはなりません。 そこで本記事では、海外通販サイトで購入した偽ブランド品の代金が返金されない場合の対処法を紹介します。
まずは新たな水際対策について知っておこう
財務省によると、令和4(2022)年に全国の税関で差し止められた偽ブランド品を含む「知的財産侵害物品」は、3年連続で2万5000件を超えました。前年から4.7%の減少とはいえ、依然として高水準であることに変わりはありません。そのため、国は偽ブランド品などの「模倣品」を水際で阻止するために、法律を改正して取締りを強化しています。 ■法律改正の概要 模倣品を水際で阻止するために、国はまず令和3(2021)年5月に商標法と意匠法を改正しました。両法の改正によって、海外事業者が郵送などで模倣品を国内に持ち込む行為は、商標権と意匠権の侵害行為に該当することが明確化されています。 そのうえで、令和4(2022)年3月に関税法を改正し、海外事業者が郵送などで国内に持ち込む模倣品の輸入を禁止しました(関税法第69条の11の9)。 ■関税法に違反するとどうなる? 関税法第69条の11の9の規定に該当すると疑われる輸入品に対しては、税関による認定手続きが行われます。そのうえで、違反が判明した模倣品は、個人が海外通販サイトで購入したものであっても税関で没収されます。没収されてしまった商品の代金が、税関から返金されることはありません。
代金が返金されない場合の対処法
海外通販サイトで購入したブランド品がニセモノだった場合、返金に応じない業者も多くあります。そこで本項目では、そのような場合に「越境消費者センター」が推奨している決済方法ごとの対処法を紹介します。 ■クレジットカードで支払った場合 クレジットカード(デビットカードを含む)で支払った場合は、まず支払いに使ったクレジットカードのカード会社に連絡します。相談の際には、購入やトラブルに至る経緯をなるべく細かく説明してください。 また、なるべく客観的な資料を提出することも大切です。客観的な資料とは、商品ページのコピー、注文確認メール、事業者と交わしたメール、税関から届いた「認定手続開始通知書」などがあります。丁寧な説明と、より多くの客観的な資料を提示して、カード会社の判断を待ちましょう。 ■銀行振込で支払った場合 銀行振込で支払った場合は、まず警察に相談します。そうすることで、銀行に被害を申し出る際に、口座が犯罪に利用された疑いを客観的に示すことができます。銀行の対応が得られやすくなることから、被害届を出しておくことも重要です。 警察に相談した後は、銀行に被害を申し出ます。その際には、被害届が受理されていればその事実を、受理されなかった場合は警察に相談した日時と担当者名を伝えます。そのうえで、振り込め詐欺救済法による救済を申し出てください。 銀行振込で代金を支払ったが、商品が届かないなどのトラブルも、「振り込め詐欺救済法」の対象になる可能性があります。振り込め詐欺救済法は、振り込め詐欺の被害者のための法律です。 振り込め詐欺救済法が適用されれば、金融機関によって凍結されている犯罪に使われた口座の残高から、被害者に被害回復分配金が支払われます。なお、振り込め詐欺救済法は、国内にある金融機関の口座に振り込んだ場合に限り適用されます。