市村正親主演の音楽劇「エノケン」、脚本の又吉直樹「観る人々にエノケンの息吹をお届けしたい」
市村正親が主演を務める音楽劇「エノケン」が、10月から11月にかけて東京・大阪・佐賀・愛知・埼玉で上演される。 【画像】左から市村正親、松雪泰子、本田響矢。(他2件) これは、喜劇俳優・榎本健一の人生を元に、又吉直樹が作劇、シライケイタが演出を担う新作。本作では、市村が榎本健一に扮し、松雪泰子が榎本健一の前妻・花島喜世子と後妻・榎本よしゑの2役、本田響矢が榎本健一の息子・榎本鍈一役で出演する。 市村は「エノケンという喜劇俳優は、私生活における生き方は非常にストイックでまじめで神経質で『本当にこの人が喜劇やるのかな』と思うような感じの人だったそうです。彼の人間的な魅力を又吉くんが脚本にして、僕らが演じる。こういう喜劇王がいたんだなということをしっかりとお見せでできればいいなと思っています。僕は昔『笑わせよう』と意識して演じていましたが、今は『笑ってもらえる』ように、真剣に生きる芝居をしてみたいと思っています。エノケンと彼にまつわるいろんな物語をお客様に楽しんでいただくことはもちろんですが、大正の終わりから昭和の初期にかけて、僕の親父とおふくろが生きていたころのにおいを感じてもらえるような舞台を作れたらいいなと。今までとはちょっと違った新しい舞台をお届けできると感じています。お楽しみに」とコメント。 又吉は「『昭和の喜劇王』と呼ばれた榎本健一。その名にふさわしく、彼は戦前から戦後にかけて、多くの人々を笑いで楽しませてきました。現在でも、映像を通じてエノケンの軽妙でリズミカルな芝居に触れることができ、書籍を通じて彼の言葉や哲学を感じ取ることができます。 しかし、ただその記録をなぞるだけではなく、彼の生き様や表現の本質に改めて光を当てることで、時代を超えた普遍的な魅力をより鮮明に描き出せるのではないかと考えています。今回の舞台では、大先輩である彼の笑いそのものだけでなく、彼の人生からも目を逸らさず、観る人々にエノケンの息吹をお届けしたいと思っています」と思いを述べた。 公演は、10月7日から26日まで東京・シアタークリエ、31日から11月9日まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール、15・16日に佐賀・鳥栖市民文化会館 大ホール、22日から24日まで愛知・名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)、28日から30日まで埼玉・ウェスタ川越 大ホールにて。松雪、本田、シライのコメントは以下の通り。 ■ 松雪泰子 コメント 音楽劇「エノケン」に出演させて頂くことになりました。 私はエノケンさんを支える二人の妻、前妻の花島喜世子さんと後妻の榎本よしゑさんを演じます。舞台で二人の女性を一人で演じるのは初めての経験で、性質が異なる二人の女性、それぞれの視点から彼をどう見つめ、支えていたのか深く分析してるところです。 又吉さんの脚本作品への参加、そして演出のシライさんとも初めてご一緒するので、新たな挑戦となります。また市村さんいう大先輩と共にエノケンさんの世界を舞台で立ち上げることが楽しみです。 喜劇にはあまり縁がなかったのですが、喜劇人としてのエノケンさんの苦悩や生きる力を感じてもらえる作品になると思います。 皆様に楽しんで頂けますよう、懸命に務めたいと思っております。是非劇場でご覧ください。 ■ 本田響矢 コメント 7年ぶりに舞台に立たせていただく機会をいただき、緊張と同時にワクワクした気持ちでいっぱいです。そして市村さん、松雪さんと共演させて頂けることをとても嬉しく思っています。 僕が演じるエノケンの息子、榎本鍈一は病弱だったそうですが、頂いた資料からは落ち着いていて礼儀正しいという印象を持っています。又吉さんがどのように鍈一を描いてくださるのか、とても楽しみです。 最近は映像作品に出演させていただく機会が多かったので、舞台で、お客様の目の前でお芝居をできることが一番の楽しみです。とても面白い作品になると思いますので、是非皆さん劇場にお越しください。お待ちしています! ■ シライケイタ コメント 戦前から戦後を駆け抜けた不世出のエンターティナーであるエノケンを、現代日本演劇界が誇る稀代のエンターティナー市村正親さんが演じるというこの企画は、演劇界の大事件です。 更に、現代文学界とお笑い界を牽引する又吉さんが脚本を担当されると聞けば、演劇ファンならずとも垂涎ものの本企画でございます。 エノケンと市村さんの人生が重なる時、この作品の伝説が始まります。 この作品に関われる幸福と重圧を目いっぱい感じながら、これまでの演劇人生全てをかけて、閉塞感漂う現代日本に痛快な風穴を開けたいと思っております。 どうか、伝説を目撃しに来てください。 ■ 音楽劇「エノケン」 2025年10月7日(火)~26日(日) 東京都 シアタークリエ 2025年10月31日(金)~11月9日(日) 大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール 2025年11月15日(土)・16日(日) 佐賀県 鳥栖市民文化会館 大ホール 2025年11月22日(土)~24日(月・振休) 愛知県 名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館) 2025年11月28日(金)~30日(日) 埼玉県 ウェスタ川越 大ホール □ スタッフ 作:又吉直樹 演出:シライケイタ 題材監修:原健太郎 □ 出演 榎本健一:市村正親 花島喜世子・榎本よしゑ:松雪泰子 榎本鍈一:本田響矢