階層制で300人統制、「ねずみ講」まがいも 女性売買のスカウト組織「アクセス」の全貌
全国の性風俗店に女性を斡旋する巨大スカウトグループ「アクセス」の事件を巡っては、警視庁保安課が職業安定法違反の疑いで、代表の遠藤和真容疑者(33)を再逮捕した。逮捕は3回目で、これまでの捜査により、約300人の構成員を実績に応じて昇格させるなどし、ピラミッド型の組織を形成していることが分かってきた。 【写真】異国風のネオンが目立つ西川口の路地 構成員が新規構成員を勧誘すると、その稼ぎの一部を受け取れる「ねずみ講」まがいのシステムを構築。競って女性を〝売却〟することで、莫大な犯罪収益を得る構造が浮かび上がる。 ■実績に応じて昇格 警視庁保安課によると、アクセスから性風俗店に女性を斡旋して受け取るスカウトバックは、女性の売り上げの15%。店から現金をレターパックで送らせて回収し、階級に応じて構成員が分配していた。 警視庁が再逮捕した遠藤和真容疑者をトップに、構成員を上から「マネジャー」「チーフ」「プレーヤー」などの階層に区分。新規の構成員は、プレーヤーの最下層に当たる「研修生」から始め、風俗店からのスカウトバックに応じて「社員」「レギュラー」「ゴールド」「スーパーブラック」-などと昇格していく。 新たな構成員をリクルートすると、その構成員が稼いだ額の一部を受け取ることができ、階級が上がるほど取り分が増加。マネジャーになれば、傘下に抱える構成員の数に応じて昇格するシステムだった。 「スマートフォン1台で簡単に大金を得られる」。警視庁に摘発された、レギュラーだった大学生の男は、こううそぶいたという。 ■8段階にランク分け 《稼ぎ情報》《スペック105~》 構成員らはX(旧ツイッター)で、風俗店での勤務を希望する女性をこういった文言で勧誘していた。「スペック」は身長から体重を引いた数値で、女性の体形をはかる指標。避妊具なしでの売春ができる女性を募集する内容もあった。 交流サイト(SNS)で女性を募り、プロフィルを送信させて「査定」。スペック値、顔立ち、年齢、タトゥーや歯科矯正の有無などを基に、女性を8段階にランク分けし、適合する店に斡旋していた。 その際、同じ価格帯の複数の店にプロフィルを送り、最も高い報酬額を示した店に落札させる形式をとっていた。