【米国株ウォッチ】O157集団感染で苦しむ米マクドナルド、巻き返しの一手は?
米マクドナルド(ティッカーシンボル:MCD)は、100カ国以上で4万1000以上の店舗(ほとんどがフランチャイズ店)を展開する世界最大の外食チェーンだ。同社の株価は、2024年の年初から米国時間1月8日現在まで、ほぼ横ばいである。比較として、S&P500種株価指数は同期間に約24%上昇しており、同業のレストラン・ブランズ・インターナショナルは約16%下落している。 ■2024年はO157の集団感染、業績の原則に苦しんだ 2024年に米国マクドナルドで発生した腸管出血性大腸菌(O157)の集団感染により、2024年初からそれまでの株価上昇は一掃され、現在も株価は2024年のスタート地点と同水準となっている。この集団感染により、少なくとも104人が感染し、その内1人が死亡したと報じられている。原因は同社のハンバーガーに使用されている汚染されたタマネギに関連していると考えられている。 マクドナルドの第3四半期決算は、収益が前年同期比でわずか3%増の69億ドル(約1兆800億円)と、悪い結果に終わった。コストの上昇が収益の伸びを上回ったため、第3四半期の純利益は同3%減の23億ドル(約3600億円)にとどまった。また、米国の既存店売上高は0.3%増加したものの、世界全体では1.5%減少した。 この第3四半期における減速は、マクドナルドが世界の既存店売上高が1%減少したと報告した前回の四半期業績と流れを共にしている。しかし、その中でも米国市場は比較的ダメージが少なく、同国における既存店売上高は0.7%の減少にとどまっていた。しかし、今回の集団感染に関連する悪影響により、マクドナルドの業績をさらに悪化させ、第4四半期、場合によってはそれ以降の収益と利益のさらなる減少につながる可能性がある。同社が最近導入した「マックバリュー」と呼ばれる新しいお手頃価格のメニューにより、同社は一部の顧客を取り戻しつつあるが、この戦略にはトレードオフが伴う。