台湾・花蓮の有機米、銀座の百貨店で販売へ 農協と日本企業が協力取り決め
(花蓮中央社)東部・花蓮県の富里郷農会(農協)は4日、同郷産有機米「富麗米」の日本での販売協力に関する意向書を、日本の米販売業者2社と取り交わした。12月にも東京・銀座の百貨店などで販売が始まる。 締結式が同郷内の農会施設で開かれた。出席した農業部(農業省)花蓮区農業改良場の楊大吉場長はあいさつで、同郷は1994年に有機栽培を推進し始めたと紹介。環境条件に恵まれており、2002年には日本への輸出が始まったと述べた。同部高雄区農業改良場の戴順発場長は、日本への輸出は残留農薬の検査などが厳しいが有機米は基準をクリアしやすいとし、銀座の百貨店に並ぶことができるのは大きな進展だと語った。 締結式に出席した米福(山梨県笛吹市)の五味礼治社長は富里郷について、空気が良く水もきれいで「日本で一番おいしいお米が取れる新潟の魚沼地区に似ているように感じた」とコメント。事前に米を試食した際には「非常においしくてびっくりした」といい、日本のお米と遜色ないとたたえた。 銀座三越に直営店を構える山田屋本店(東京都調布市)6代目の秋沢毬衣さんは、富麗米は「粒がしっかりしていて、かめばかむほど甘みがじわっと広がってくる」と評価。村全体で有機米に取り組んでいることをPRしたいと話した。 富里郷農会の張素華総幹事は同郷産の米について、台湾での需要を優先させた上で日本にも輸出していくと説明。これを機に世界各地に販路を広げ、有機米の栽培面積拡大や農民の収益増につなげたいと期待を寄せた。 (李先鳳/編集:田中宏樹)