仮面ライダーアクセルから14年 三十代になった木ノ本嶺浩が語る 転機となった作品
●プチどっきりだった「ライダー」抜擢の瞬間
――08年、小栗旬さん主演のドラマ「貧乏男子 ボンビーメン」で俳優デビューされます。 高校3年生のとき、週に1回、地元の滋賀から大阪にお芝居のレッスンに通っていたのですが、ドラマが決まり、卒業前の冬休みタイミングで、本格的に上京しました。 まったく標準語を喋ったことがなかったので、まずは言葉を直すところから始まりましたが、とにかく現場に行き、みなさんのお芝居を見て、いろいろ学ばせてもらいました。それで俳優としての基礎といいますか、撮影の仕組みみたいなことも勉強しました。 ――そして10年には照井竜 / 仮面ライダーアクセル役として、「仮面ライダーW」に出演。桐山漣さん演じる左翔太郎、菅田将暉さん演じるフィリップに続く、三番目のライダーとして、ドラマの途中から参加されます。 主演のオーディションに落選して2~3ヶ月後に、別のライダーとしての面接の話をいただき、東映の本社に行って、プロデューサーさんや監督さんとお話したら、実はすでに僕に決まっていたことが分かり……。まるでプチどっきりのようでした(笑)。 とても嬉しかったのですが、すでに空気が出来上がっている現場に途中から参加するのは、めちゃくちゃ緊張しました。でも、みんな優しいチームだったこともあり、自然と輪に入ることができました。年齢が近かったことも大きかったと思います。 ――この「ライダー」の現場で、木ノ本さんが学ばれたことを教えてください。 「劇場版」(『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』)を撮ったときに、自分が初めて映画に出演していることを実感したんです。 物語の展開だったり、丁寧に描かれる人物描写だったり、「劇場版」ならではのスケールの大きさだったり、当時は言葉にできなかったものを体験させてもらいました。独特な映画の現場の魅力にハマっていくきっかけになったともいえます。